2008 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロニンの構造揺らぎとフォールディング介助機能
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
20107009
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
桑島 邦博 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (70091444)
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Keywords | 生物物理 / 分子機械 / 分子認識 / 生体分子 / 蛋白質 / 分子シャペロン / アロステリック転移 / シャペロニン |
Research Abstract |
分子シャペロンは細胞内のタンパク質フォールディングに関わり、分子レベルの生命現象であるタンパク質フォールディングと細胞レベルの生命現象とを結びつける重要な概念である。本研究では、分子シャペロンの構造揺らぎと機能発現との関係を物理化学的に明らかにする。ジメチルスルフォキシド(DMSO)停止水素重水素交換法と二次元NMRを利用して、さまざまなシャペロニン複合体中のGroESの水素交換反応を追跡し、生物機能が構造揺らぎをどのように利用しているかを明らかにする。 平成20年度は、以下の研究を行った。 (1)二次元NMRスペクトルにおけるGroESの主鎖アミドプロトンの帰属:^<13>C-^<15>N二重標識したGroESを調整し、分子研の920MHzNMR装置を利用して95%DMSOの中におけるGroESのアミドプロトンの帰属をHNCACBとCBCACONHスペクトルを測定して行った。現在、約7割のアミドプロトンの帰属を終えている。 (2)遊離GroESの水素交換反応の測定:上記の帰属結果を基に、遊離GroESの水素交換反応測定を500MHzNMR装置を用いて行い、反応を定量的に追跡することが十分可能であることを確認した。水素交換反応は天然条件下で行い、NMR測定は溶媒を95%DMSOに置換後に行った。
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