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2011 Fiscal Year Annual Research Report

シャペロニンの構造揺らぎとフォールディング介助機能

Planned Research

Project AreaMolecular Science of Fluctuations toward Biological Functions
Project/Area Number 20107009
Research InstitutionNational Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities

Principal Investigator

桑島 邦博  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (70091444)

Keywords生物物理 / 分子機械 / 分子認識 / 生体分子 / 蛋白質 / 分子シャペロニン / アロステリック転移 / シャペロニン
Research Abstract

分子シャペロンは細胞内の蛋白質フォールディングに関わり,分子レベルの生命現象である蛋白質フォールディングと細胞レベルの生命現象とを結びつける重要な概念である。本研究では,分子シャペロンの構造揺らぎと機能発現との関係を物理化学的に明らかにする。ジメチルスルフォキシド(DMSO)停止水素重水素(H/D)交換法と二次元NMRを利用して,さまざまなシャペロニン複合体中のGroESのH/D交換反応を追跡し,生物機能が構造揺らぎをどのように利用しているかを明らかにする。平成23年度は,以下の研究を行った。
昨年は,GroES単独でのH/D交換反応をTROSY-NMR法を用いて追跡した(20 mM KCl,25 mMリン酸緩衝液,pH6.5,25℃)。その結果,GroES複合体のコア領域の交換反応は追跡できたが,モバイルループ領域は交換が速く追跡が不可能であった。交換速度の速いアミド水素の交換反応を解析するため,天然条件下で水素交換反応を行った後DMSO停止H/D交換二次元NMR法と920 MHz NMR装置を用いて,各反応時間における残存アミド・プロトン強度を測定した。また,重水素化DMSO中のGroESの約70個のアミド水素の帰属を終えており,これらの帰属に基づいて各アミド水素のH/D交換反応を解析している。
大腸菌シャペロニンGroELの頂上ドメインを遺伝子工学的に単離した蛋白質はミニシャペロンと呼ばれ,それ自身で独立に折り畳まる。ミニシャペロンは,天然条件下では,β2ミクログロブリンのアミロイド形成を抑制するなど,不完全ながらも分子シャペロンとしての働きを有する。しかし,ミニシャペロンの一次配列をTrovato等が開発したPASTAで解析すると,アミロイド形成能の高い領域の存在することがわかった。そこで,チオフラビンT 結合に伴う蛍光測定,透過型電顕観察等の手法を用いて,さまざまな条件下でアミロイド形成を調べた。その結果,酸性条件下では,ミニシャペロン自身がアミロイド線維を形成することが明らかとなった。また,酸性条件下でβ2ミクログロブリンも共存させると,反応初期にはβ2ミクログロブリンのアミロイドを抑制する分子シャペロンとしての働きも有するので,ミニシャペロンはそれ自身アミロイド形成能を持ちながら分子シャペロンとしても働く二面性を持っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

GroES遊離状態のH/D交換反応の解析をほぼ終え,GroELと複合体形成時のH/D交換反応解析を来年度行い,遊離状態GroESの結果と比較することにより,機能を持ったシャペロニン複合体の形成が,GroESの構造揺らぎにどのように影響するかを明らかにすることが出来る。

Strategy for Future Research Activity

二次元NMR法によるGroELS-GroEL複合体形成反応の解析を行う。また,複合体形成反応を等温滴定型熱量計によっても解析し,複合体形成に伴う熱力学量を求め,複合体形成の分子機構を明らかにする。機能的に異なるさまざまなGroEL/GroES/ヌクレオチド複合体中のGroES部分のH/D交換反応を追跡し,既に明らかにされている遊離GroES7量体のH/D交換反応の結果と比較することによって,シャペロニン複合体の構造揺らぎと機能発現の関係を明らかにしたい。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Journal Article] Fibrillogenic propensity of the GroEL apical domain : A Janus-faced minichaperone2012

    • Author(s)
      Chen, Jin
    • Journal Title

      FEBS Letters

      Volume: VOL.13(印刷中)(未定)

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Solubilization and folding of a fully active recombinant Gaussia luciferase with native disulfide bonds bv using a SEP-Tag2011

    • Author(s)
      Rathnayaka, T.
    • Journal Title

      Biochim Biophys Acta

      Volume: 1814 Pages: 1774-1778

    • DOI

      PMID:21945374

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Molecular Mechanisms of the Escherichia coli Chaperonin Function2011

    • Author(s)
      桑島邦博
    • Organizer
      The 3rd Asia Pacific Protein Association (APPA) Conference
    • Place of Presentation
      上海大学(中国)(招待講演)
    • Year and Date
      20110506-20110509
  • [Remarks]

    • URL

      http://gagliano.ims.ac.jp/Welcome.html

  • [Patent(Industrial Property Rights)] 球状蛋白質の準安定状態を用いた抗癌細胞作用のある分子の作成2011

    • Inventor(s)
      桑島邦博, 中村敬, 真壁幸樹
    • Industrial Property Rights Holder
      自然科学研究機構
    • Industrial Property Number
      特許、特願2011-238611
    • Filing Date
      2011-10-31

URL: 

Published: 2013-06-26  

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