2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
20108003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 靖次郎 京都大学, 化学研究所, 教授 (40314273)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | フラーレン / 内包フラーレン |
Outline of Annual Research Achievements |
内包フラーレンの創製は、フラーレンの物性を内側から開拓する上で興味深いが、段階的に異種の原子や分子をフラーレン内部に導入することは困難である。今回、我々は分子手術法と窒素プラズマ法の2つの内包フラーレンの生成法を組み合わせることで、フラーレンにヘリウム原子と窒素原子を段階的に内包させることに成功した。 開口C60誘導体を高圧のヘリウムガスと高温で接触させた後、光反応によって開口部を縮小させることで、ヘリウム原子を30%内包した誘導体へと変換した。この誘導体の開口部を2段階の反応で完全に修復することで、He@C60を内包率30%で合成した。さらに、リサイクルHPLCによってHe@C60を濃縮し、最終的にHe@C60の内包率を95%に向上させることに成功した。このHe@C60とニッケルオクタエチルポルフィリンの共結晶を作製し、単結晶X線構造解析を行ったところ、C60内部の中心に存在するヘリウム原子の観測に初めて成功した。同様の合成法をC70誘導体に適用することで、He@C70の合成(内包率30%)も達成した。一方、ヘリウム原子内包フラーレンの内部は、追加で原子や分子を導入するのに十分なスペースがあるものと思われる。そこで、30%の内包率のHe@C70に対して、窒素プラズマを用いた窒素原子内包を試みた結果、ヘリウム原子と窒素原子の両方を内包したC70(HeN@C70)の発生をESRスペクトルとMSスペクトルから確認した。同様の実験をHe@C60に適用することにより、HeN@C60の発生も確認した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] X-Ray Observation of a Helium Atom and Placing a Nitrogen Atom inside He@C60 and He@C702013
Author(s)
Morinaka, Y.; Sato, S.; Wakamiya, A.; Nikawa, H.; Mizorogi, N.; Tanabe, F.; Murata, M.; Komatsu, K.; Furukawa, K.; Kato, T.; Nagase, S.; Akasaka, T.; Murata, Y.
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Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 4
Pages: 1554
DOI
Peer Reviewed
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