2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
20108005
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
櫻井 英博 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 准教授 (00262147)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | スマネン / アザスマネン / キラリティ / キラル結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フラーレン部分骨格やナノチューブの先端構造に相当する、お椀型π電子系化合物「バッキーボウル」を足がかりとした、精密有機合成の手法を駆使したカーボンπ空間の構築法の確立を目指している。これまで提案・実現してきたバッキーボウル分子の革新的な合成戦略を更に推進し、多種多様なπ曲面を有するバッキーボウルを自在に合成する。同時に、バッキーボウルをモジュール分子として高次に組み合わせることにより、原子レベルでの精密且つ高効率なカーボンπ空間構築法を開拓する。 23年度に世界に先駆けて合成に成功したトリアザスマネン誘導体のうち、合成上の要請によりこれまで窒素のアルファ位の置換基を除去することが困難であったが、24年度の研究において、新規なスルフィドの除去反応の開発に成功し、本手法を用いることで、初めて無置換のトリアザスマネンの合成に成功した。これにより、置換基に依存しない、トリアザスマネン自身の性質を明らかにすることができると期待される。 実際、無置換トリアザスマネンのX線単結晶構造解析に成功し、スマネンと同様な垂直カラム状構造をとる予想とは大きく異なり、トリアザスマネン骨格自身の有するキラリティに従い、3分子で1ピッチとなるような、キラルヘリカル構造を有していることが明らかとなった。このようにCHとNというわずかな違いにのみ生じるキラリティをも、結晶構造では認識していることになり、また結晶状態でのキラリティは、各種物性に大きな影響を与えることから、今後の研究に繋がる発見として重要であると考えられる。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Trimethylsumanene: Enantioselective Synthesis, Substituent Effect on Bowl Structure, Inversion Energy, and Electron Conductivity2012
Author(s)
S. Higashibayashi, R. Tsuruoka, Y. Soujanya, U. Purushotham, G. N. Sastry, S. Seki, T. Ishikawa, S. Toyota, H. Sakurai
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Journal Title
Bull. Chem. Soc. Jpn
Volume: 85
Pages: 450-467
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Chemical Synthesis of Nitrogen-doped Buckybowls2012
Author(s)
Sakurai, H.; Tan, Q.-T.; Higashibayashi, S.
Organizer
8th IUPAC International Symposium on Novel Materials and their Synthesis and 22th International Symposium on Fine Chemistry and Functional Polymers
Place of Presentation
Grand New World Hotel, Xian, China
Year and Date
2012-10-14 – 2012-10-19
Invited
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