2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
20108008
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田代 健太郎 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (40332598)
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Keywords | 自己組織化 / ナノ材料 |
Research Abstract |
π電子系金属錯体アレイの自己集合について、錯体モノマーを用いて予備的検討を行ったところ、黄色のPt(II)とRh(III)錯体モノマーの等量混合物をトリフルオロ酢酸存在下で溶媒流去することによって、赤色の固体が得られることを見いだした。発光スペクトルやXRD測定の結果、赤色はPt間に形成された金属間結合に由来することが明らかとなり、複数の金属錯体混合物中で自発的に自己選択的集合が進む珍しい系であることが分かった。次にPt(II),Ru(II),Re(I)の三種類の異なる金属錯体から構成される錯体アレイのシークエンス異性体を三種類(Ru-Pt-Re,Ru-Re-Pt,Re-Ru-Pt)作成し、その分子物性や自己集合能について比較検討した。その結果、Re-Ru-Pt三連子が他の二つの異性体に比べ高いゲル形成能を有することが明らかとなった。Re錯体の配位子部位と類似の構造を有する合成中間体がゲル化能を有することから、三連子中におけるRe錯体の位置がゲル化能に大きな影響を与えていることが示唆される。また、この合成中間体は溶媒の含水量に鋭敏に呼応したゲル化挙動を示すことも明らかとなった。これとは別に、基盤上にπ電子系配位子を積層した後Ceの原子ビームを照射することにより、配位子が金属イオンをサンドイッチした構造の常磁性金属錯体が合成できることを見いだした。興味深いことに、既存の溶液法では合成が未報告の構造についても、本手法で作成可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も不確定要素の多い分子の合成部分を既に終了し、目標していた成果を達成することが出来ている。一方、予期していなかった発見に関しては今後の課題であり、上記評価が妥当と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
領域内の共同研究をよりいっそう推進する。特に生物系分野との交流に努力する。具体的には、ポリペプチド部位を有するπ電子系金属錯体アレイの単結晶作成について、領域内のタンパク質結晶化の専門家との議論を進めている。プロジェクトの最終年度となるため、アウトリーチ活動を含めた成果のアウトプットに力を注ぐ。
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[Journal Article] Electron- or Hole-Transporting Nature Selected by Side-Chain-Directed π-Stacking Geometry : Liquid Crystalline Fused Metalloporphyrin Dimers2011
Author(s)
T.Sakurai, K.Tashiro. Y.Honsho, A.Saeki, S.Seki, A.Osuka, A.Muranaka, M.Uchiyama, J.Kim, S.Ha, K.Kato, M.Takata, T.Aida
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society
Volume: 133
Pages: 6537-6540
DOI
Peer Reviewed
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