2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己集合性ポルフィリンによる高次π空間の創出と機能性π複合体の構築
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
20108009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 文都 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 准教授 (80281195)
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Keywords | ポルフィリン / フラーレン / π空間 / ナノチューブ / π複合体 / 電子移動度 / 自己集合 / 超分子 |
Research Abstract |
本研究では、自己集合性のポルフィリンが与える高次のπ空間にフラーレンなどのπ系分子を包接・配列させることによって、新規の機能性π複合体を構築することを目的としている。 1) 自己集合性ポルフィリンナノチューブへのフラーレンC60の包接 これまで用いてきたニッケルポルフィリン二量体の他にブリーベース体を用いて、同様のポルフィリンナノチューブの形成を検討した。生成したポルフィリン・フラーレンC60の複合体を分光学的手法により確認し、その三次元構造をX線結晶構造解析により明らかにした。 2) π複合体の光化学ダイナミクス ポルフィリン・フラーレンC60のπ複合体の結晶性粉末について、高速分光法である過渡吸収スペクトルを用いて、光励起状態の挙動を調べた。その結果、ポルフィリン・フラーレンC60の三重項励起錯体(エキサイプレックス)の生成が確認され、その寿命を決定した。 3) 電荷キャリアの移動プロセスの解析 ポルフィリンナノチューブ・フラーレン複合体の単結晶を時間分解マイクロ波伝導度測定に供して、電荷キャリア移動度を測定し、有機化合物としては、かなり高い値を示すことが確認された。
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