2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己集合性ポルフィリンによる高次π空間の創出と機能性π複合体の構築
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
20108009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 文都 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (80281195)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ポルフィリン / フラーレン / π空間 / ナノチューブ / 自己集合 / 超分子 / 電荷分離 / 電荷移動度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自己集合性のポルフィリンが与える高次のπ空間にフラーレンなどのπ系分子を包接・配列させることによって、新規の機能性π複合体を構築することを目的としている。これまでピリジル基を導入した環状ポルフィリン二量体のニッケル錯体(Ni2-CPDPy)およびフリーベース体(H4-CPDPy)とフラーレンC60のπ複合体について、原子レベルでの超分子構造、光化学ダイナミクス、C60の規則的な配列に沿った比較的高い電荷移動度、光電変換特性などを明らかにしてきた。 さらに、有機太陽電池の電子アクセプターとして最も頻繁に使用されるPCBM(Phenyl-C61-butyric acid methyl ester)とH4-CPDPyとの複合体の結晶構造を調べた。この複合体では、PCBMの側鎖のフェニル基同士がπ-πスタッキングしたPCBMの二量体構造が形成され、C60とH4-CPDPyの複合体でみられたようなフラーレンのジグザグ配列は得られなかった。つまり、PCBMの側鎖が、フラーレンのπ電子系同士のπ-πスタッキングを阻害した結果、ジグザグ配列が形成されなかったといえる。 C60よりも電子受容性の高いリチウムイオン内包C60(Li+@C60)とNi2-CPDPyおよびH4-CPDPyの複合体の光化学ダイナミクスを調べた。それぞれの複合体の電荷分離状態のエネルギーは、電気化学的解析から、ポルフィリン、フラーレンの三重項励起状態よりも低いことが確認された。これらの複合体を光励起すると、ポルフィリンからフラーレンへの光誘起電子移動が生じ、電荷分離状態が確認された。電荷分離状態の寿命は、0.67ミリ秒および0.50ミリ秒であり、ポルフィリンーフラーレンの非共有結合性複合体の電荷分離寿命としては、これまでの世界最高値であった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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