2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
20108015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
磯部 寛之 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (30302805)
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Keywords | フラーレン / 分子集合体 / 両親媒性 / 抗酸化作用 |
Research Abstract |
本研究では, π電子豊富分子が, 高次構造体として組織化することで特異な相互作用が生じることに着目し, 組織化構造におけるπ電子豊富分子の機能性に焦点をあてる. 天然型および非天然型π電子豊富分子同士の相互作用を探ることで, これまでの常識にない特異な物性・機能性を探ることを目的とするものである. 本申請課題で最も困難が予想される新現象の発見については, すでに申請者のこれまでの研究により実現している. とくにπ電子豊富物質上での生体内関連物質の異常挙動などは世界的にも注目される発見であり, 本申請課題の遂行によりその先導性をさらに確たるものとする.平成20年度では, π電子豊富分子と生体内分子との相互作用に焦点をあてた研究を重点的に進めた. 申請者の研究では平成19年にフラーレン2重膜ベシクルの研究から, 膜内の水分子の異常挙動を見いだし, 新しい物質透過性をもつ膜物質であることを明らかにした. 本年度は, このベシクルが生体内環境への影響を探る一環として, 抗酸化作用について検討を進めた. そのなかで, アンジオテンシン-IIにより誘起される酸化作用を抑制することを見いだし, 両親媒性フラーレンの分子集合体の新しい発展法を見いだした.また, 関連する研究の中で, 新しい両親媒性フラーレンの合成法の開発, さらにナノカーボン膜の物質透過性についての研究を行っており, 前者ではフラーレンエステルの高効率合成法を開発し, 後者では, 脂質様分子の膜透過機構の新しい分子像を見いだすことができた.
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Research Products
(3 results)