2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Project TAIGA: Trans-crustal Advection and In-situ biogeochemical processes of Global sub-seafloor Aquifer |
Project/Area Number |
20109004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 純一郎 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 准教授 (20212920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 新 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40207650)
中井 俊一 東京大学, 地震研究所, 准教授 (50188869)
熊谷 英憲 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究主任 (10344285)
小島 茂明 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20242175)
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Keywords | 海洋科学 / 熱水鉱床 / 年代決定法 / 分子系統学 / 熱水域固有生物種 |
Research Abstract |
平成21年度は本研究の2年目にあたる。地球化学的研究においては、種々の年代測定法を熱水性鉱物試料へ適用するための基礎検討に主眼を置いた。生物学的研究においては、次年度の潜航調査を予定する南部マリアナの熱水活動域において優占する動物群を対象とした予備的な研究を開始した。また、これまでの関連分野の研究をまとめた和文の総説論文を特集号に発表した。 1.石橋(研究代表者)は、既存の熱水性鉱物試料を用いて、鉱物組成解析および鉱物中の流体包有物の物性計測を進め、熱水特性の変動から熱水活動の変遷史を推定するためのデータの蓄積を進めた。2.豊田(研究分担者)は、研究協力者の奥村とともにESR(電子スピン共鳴)法による年代測定法の基礎検討として、年間線量率の精確な推定などを進めた。熱水性鉱物の一つである重晶石への同法の適用について成果をまとめ学会誌に投稿した。3.中井(研究分担者)は、ICP質量分析計を導入して熱水性鉱物中のウラン・トリウムの同位体比および微量元素組成を高精度で分析できるシステムを構築した。また熱水性鉱物の化学分離手法として、陰イオン交換樹脂法と溶媒抽出クロマトグラフィーの二法を検討し、前者が妨害成分となるバリウムの除去に優れていることを見いだした。4.熊谷(研究分担者)は、前年度に導入した加熱レーザ装置を用いた熱水変質年代測定システムについて、レーザ照射試験・ガス抽出試験などの基礎検討を進めた。 5. 小島(研究分担者)は、渡部(連携研究者)と協力しながら、アルビンガイおよびその近縁種の巻貝類を対象とした新規遺伝子マーカーの開発を進めた。さらに、群集の遷移の時間スケールを決める重要な要素である幼生の付着機構に関する生化学的研究を開始した。また日本近海の熱水活動域および近隣のメタン湧水域の生物群集の類似性を定量的に比較検討した成果を海外学術雑誌に投稿し受理された。
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Research Products
(22 results)