2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Project TAIGA: Trans-crustal Advection and In-situ biogeochemical processes of Global sub-seafloor Aquifer |
Project/Area Number |
20109004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 純一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20212920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 新 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40207650)
中井 俊一 東京大学, 地震研究所, 教授 (50188869)
熊谷 英憲 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 技術研究主任 (10344285)
小島 茂明 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20242175)
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Keywords | 海洋科学 / 熱水鉱床 / 年代決定法 / 分子系統学 / 熱水域固有生物種 |
Research Abstract |
平成23年度は本研究の4年目にあたる。地球化学的手法および生物学的手法による年代情報を重ね合わせる研究を実海域で行うことを目的として、沖縄トラフ熱水活動域で無人潜水艇による潜航調査航海を行い、熱水性鉱石や岩石などの地質試料の採取と熱水域固有種の成体・プランクトン幼生の分布調査および採集をおこなった。 地球化学的研究では、南部マリアナ海域から採取した試料を中心に年代測定を進めた。U/Th放射非平衡年代測定とESR年代測定の二つの手法から定性的に一致する結果が得られた。調査海域内の3つの熱水域から得られる年代は0~8000年と幅を持っており、背弧拡大中心からの距離をもとにして推定されるマグマ活動時期を反映している可能性が示唆された。またBMS掘削によって得られるコア試料の深さ方向に対する年代測定結果をもとにして鉱床成長速度の見積りが可能であることが示唆された。さらにESR年代測定の確度を向上させるために熱水域内外の放射線量データの実測を進めた。 生物学的研究では、南部マリアナ海域から採集したアルビンガイおよびプランクトンサンプルの解析を進めた。ミトコンドリアDNAの塩基配列に基づく解析から過去約50万年間の集団の縮小、拡大や分断の歴史を推定した。初めてアルビンガイの着底直前個体をDNAバーコード解析により特定し、系統地理学的解析から予想された本種の高分散能力を裏付ける結果を得た。沖縄トラフの5つの熱水域でも定量生物採集を中心とする研究を展開し、熱水噴出域生物群集の多様性が沖縄トラフ南部における硫化物鉱床の多様化と関連していることを示唆する結果を得た。またサツマハオリムシについて日本周辺と北マリアナ海域の集団の遺伝的特性を比較したところ、日本集団の遺伝的多様性が低く両者の分岐は100万年以上前である事が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
沖縄トラフ熱水域での潜航調査航海を実施し、同一熱水域からの地質試料と生物試料の並行採取を5つの熱水域で行うことができた。また試料の基本的解析および年代情報取得のための解析はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成24年度は、これまでの研究を推進し得られた成果の総括と公表を進めていく。得られた年代情報の検討とその解釈を行うために、班内、班外の研究者とともに議論する場をこれまでより多く持つことを計画している。
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Research Products
(41 results)
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[Journal Article] New hydrothermal activities portrayed by novel chemosynthetic faunas discovered by seafloor reconnaissance in the Central Indian Ridge 18°-20°S2012
Author(s)
Nakamura K., H.Watanabe, J.Miyazaki, K.Takai, S.Kawagucci, T.Noguchi, T, S.Nemoto, T.Watsuji, T.Matsuzaki, T.Shibuya, K.Okamura, M.Mochizuki, Y.Orihashi, T.Ura, A.Asada, D.Marie, M.Koonjul, M.Singh, G.Beedessee, M.Bhikajee, K.Tamaki
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Journal Title
PLoS One
Volume: 7
Pages: e32965
DOI
Peer Reviewed
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