2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Project TAIGA: Trans-crustal Advection and In-situ biogeochemical processes of Global sub-seafloor Aquifer |
Project/Area Number |
20109004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 純一郎 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20212920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 英憲 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 技術研究副主幹 (10344285)
小島 茂明 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (20242175)
豊田 新 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40207650)
中井 俊一 東京大学, 地震研究所, 教授 (50188869)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 海洋科学 / 熱水鉱床 / 年代決定法 / 分子系統学 / 熱水域固有生物種 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度は本研究の最終年度にあたる。南部マリアナ熱水活動域ならびに沖縄トラフ熱水活動域で、これまでに系統的に採取された試料の解析を進め、地球化学的手法と生物学的手法のそれぞれから得られた年代情報を重ね合わせる研究を進めた。 地球化学的研究では、沖縄トラフの熱水活動域から採取した試料を中心に年代測定を進めた。U/Th放射非平衡年代測定とESR年代測定の二つの手法の年代値は定性的に一致するものの、一部の試料では年代値に差が見られた。既に印刷公表された南部マリアナトラフから得られた試料を用いたクロスチェックの結果よりも大きな差があることから、鉱石の化学組成あるいは放射性同位体の含有量が年代情報に影響する可能性が示唆される。 生物学的研究では、沖縄トラフの熱水活動域から採集した生物群集の多様性解析を行うとともに、サガミハイカブリニナ近似種およびキノミフネカサガイなどを中心にして遺伝的多様性の解析を進め、沖縄トラフにおける熱水噴出域生物群集形成についての相対年代の推測に努めた。マリアナトラフのアルビンガイのミトコンドリアDNA の塩基配列に基づく解析から過去約50万年間の集団の縮小、拡大や分断の歴史を推定した。また同種の着底直前個体をDNAバーコード解析により特定し、系統地理学的解析から予想された本種の高分散能力を裏付ける結果を得た。 沖縄トラフの複数の熱水活動域を対象に両者の年代情報のすり合わせをこころみたところ、与論海丘の熱水活動域が比較的新しく(地球化学年代では数百年)、伊是名海丘Hakurei siteの熱水活動域が比較的古い(地球化学年代では数万年)、という一致した結果が得られた。熱水活動域の広さや海底面上で観察される熱水性沈殿物の見積もり量の多少も、こうした年代情報と調和的であり熱水活動の変遷を考える上での定量的な裏付けが得られたと考えることができる。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(54 results)