2011 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属酸化物ナノ構造体における階層を越えたプログラム自己創発化学
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
20111005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川合 知二 大阪大学, 産業科学研究所, 特任教授(常勤) (20092546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕行 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20314429)
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Keywords | 遷移金属酸化物 / ナノワイヤ構造 / 創発化学 / 気液固反応法 |
Research Abstract |
自然界で生命体・生体分子が織り成す階層的な自己組織化高次ナノ構造体では、僅かな外場環境変化に対して巧みに反応し、三次元的に自ら組みあがり、動き出し、機能するナノ構造体を作製する洗練された動的非平衡プロセスが存在し、そのプロセスの精密さは圧巻である。この"創発"的な動的非平衡プロセスは、一義的な従来材料プロセスとは原理的に異なり、現状でナノ無機材料研究が根本的に抱える諸問題を打破する一つの手法として極めて重要である。一方、無機化学材料の分野において機能材料の創製・探索は、原子層制御や界面制御等に見られるように"精密に規定されたプロセス"で無機化学材料構造体を創製することによって進歩発展してきた。今後、生体系に倣った"創発"的な動的非平衡プロセスを無機化学材料に適用し、従来困難であった空間的に構造制御されたナノ構造体を自発的に創製することは極めて重要である。本新学術領域では理論・実験Grの共同研究により"1次元ナノワイヤ構造化する創発メカニズム"の本質・原理を解明し、従来完全に経験則と勘に頼っていたナノワイヤ構造化を創発理論メカニズムに基づいて物質設計することを目的としている。本年度は、1)理論計算と実験との比較検討による酸化物ナノワイヤ構造形成における普遍的な原理の追及と2)従来作製が不可能であった機能性酸化物材料のナノワイヤ構造化を行った。この創発メカニズムをより一般的に無機ナノワイヤ形成に適用し、従来法の枠組みでは作製が不可能であった多種多様な機能性金属酸化物ナノワイヤ群を創製することに成功した。本結果は、従来は完全に経験的・職人的に探索されていたVLSナノワイヤ形成に普遍的な材料設計指針を与える極めて重要な知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、理論班との共同研究が進み創発化学の理論と実験が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り概ね順調に研究が進捗しており、今後現在推し進めている理論・実験との共同研究を更に推し進めていく。従って、研究を遂行するでの大きな問題点・変更点はない。
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Research Products
(20 results)