2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
20111008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
君塚 信夫 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (90186304)
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Keywords | ナノ材料 / 複合材料・物性 / 超分子化学 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究は,分子の自己組織化に基づき非線形現象ならびにナノスケール散逸構造を生み出すための方法論を開発し,分子システムにおける創発化学を具現化することを目的とする.本年度は当初の研究計画に基づいて,次の研究を遂行した. (1) 固-液界面における散逸ナノ構造の光固定 インクジェット法を用いて,固体表面にテトラブチルアンモニウム(TBA)塩の微細パターンを作製した.この基板を,金錯体(AuX_4-(X=Cl, OH))を含む水溶液に浸漬し,超高圧水銀灯により光照射を行った.その結果,TBA塩の微細バターン上から,金ナノワイヤーが選択的に生成することを見出した.これは,固-液界面においてもアニオン性金錯体とTBAから成る散逸ナノ構造が形成されることを示している. (2) 散逸構造として得られる金ナノワイヤーの基本物性の評価 得られた金ナノワイヤーを金電極上にキャストし,電極表面積の増大効果について検討した.Fe(CN)_6^<3-/4->の電気化学応答について,CV測定から検討した結果,金ナノワイヤーを集積化した電極では,2倍程度の電流値の増大が確認された.このことから,金ナノワイヤーがナノ電極として機能することが明らかとなった. (3) イオン液体/水界面における非平衡イオン拡散による分子集合体の形態制御 疎水性イオン液体と色素分子を含む水溶液を接触させ,イオン液体分子が水相へ溶解する非平衡過程下において,水中の色素分子が自己集合し,超分子ナノファイバーを形成することを見出した.さらに,CLSM観察により,液-液界面での動的なナノファイバーの形成をin-situ観察することに成功した.
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Research Products
(15 results)