2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
20111008
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
君塚 信夫 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90186304)
|
Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ナノ材料 / 複合材料 / 超分子化学 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、熱力学に支配される分子の自己組織化と、非平衡系で見出される散逸構造形成を融合するために、非平衡系界面における分子の自己組織化について検討すること、またそれによりナノスケール散逸構造を生み出すための方法論を開発して、創発化学における新領域を拓くことを目的とした。 まず、イミダゾリウム塩から成るイオン液体と水のなす巨視的界面において、イオン液体相から水相へのイミダゾリウム塩の分子流束(フラックス)存在下、水相にアニオン性シアニン色素を溶解させておくと、界面から水相側にむけて配向したU字型のナノファイバー超構造が形成されることを見出した。熱力学的平衡に達すると、このU字型構造は失われた。この現象は、シアニン色素とイミダゾリウム塩から成るナノシートが、界面を隔てた分子フラックスの存在により規定された高次構造(散逸超構造)を形成することを意味している。 次に,新しい非平衡界面として、カチオン性合成脂質(固体)とシアニン色素水溶液の界面における散逸ナノ構造形成について検討した。ジアルキルアンモニウム塩や、三鎖型両親媒性化合物の粉末あるいはキャストフィルムとアニオン性シアニン色素水溶液を接触させたところ、固体(キャストフィルム)表面からナノファイバーが生長する現象を見出した。このナノファイバーは脂質―シアニン色素複合体であり、これまで脂質固体と水の接触により液晶二分子膜が膨潤して形成されるミエリン構造とは構造形成原理を全く異にする新現象である。 このように、液―液界面のみならず,固体―液体界面においても非平衡界面において特異的な分子の自己組織化が起こることを一般化することに成功した。本成果は、非平衡条件における分子組織化という新しい方法論を拓いたものであり、所期の成果を得ることができたといえる。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|