2012 Fiscal Year Annual Research Report
無機クラスター高次ネットワーク構造の構築と機能創発
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
20111009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小西 克明 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 教授 (80234798)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 結晶材料 / 自己組織化 / 分子認識 / 超分子 / クラスター / 発光材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「金属原子の自己集合によるクラスター形成」と「クラスターの超分子的集積化」の二つの異なる自己組織工程を組み合せることで、特定のモルフォルジーをもつ無機クラスター集積体を創発的に組み上げることを目標としている。これまでは、第1階層に相当するクラスター形成について体系的に検討し、一旦形成された無機骨格のエッチング・成長による核数変化、骨格組換を利用することで、第二階層の超分子集合化に適したクラスターの探索を行ったところ、ユニークな幾何構造、分光学的、電気化学的性質を有する分子状金クラスター群の創出に成功した。本年度においては、新奇クラスターの探索を継続するとともに、クラスターの誘導化と超分子集合化法の検討を行なったところ、昨年度に見いだした非球状型Au8クラスターに加えて、同様の幾何構造形態を有するAu7, Au11クラスターの合成に成功した。このうち、Au11クラスターについては古くから知られた球状構造をとる異性体との比較を行ない、その電子状態が金属数ではなく幾何構造を強く依存することを見いだした。また、非球状型Au8クラスターに2つの有機配位子を効率的に導入できる手法を見いだし、ピリジル基やカルボキシレートなど架橋部位となる官能基の導入することに成功した。得られた誘導化クラスターについて、金属イオンなどとの相互作用を通じて、溶液中での自己組織化を検討したが期待した超構造の形成は見られなかった。クラスター自身がもつ正電荷との強い反発のためであると思われる。しかし、カルボン酸部位を有するクラスターは単独で結晶中において、ハニカム構造を有するユニークな超構造を有することがわかった。この結晶はAu8クラスター特有の発光を示さないが、ジクロロメタンなどの適切な有機物蒸気にさらすと発光が誘起される、いわゆるベイポクロミズムを示すことを見いだした。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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