2012 Fiscal Year Annual Research Report
ボトムアップ/トップダウンプロセスの融合による電子・光機能創発
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
20111012
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 琢治 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80169185)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 大輔 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60589399)
田中 啓文 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90373191)
|
Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 単一分子電子素子 / 集積化 / 単一分子磁石 / ポルフィリンアレイ / カーボンナノチューブ / 負の微分抵抗 / ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、一つの分子で電子機能を発現できる分子を設計合成し、その分子の構造と特性の関係を明らかにする。次に、それらの分子からより複雑な分子集積回路と言える物を作り、一つの分子が示した機能の単純な総和を超える現象を創発させることを目的としている。当該年度の研究成果は、以下の通りである。 1.昨年度、ポルフィリン・テルビウムダブルデッカー錯体が、一つの分子で磁石的な性質を持つ単一分子磁石としての性質をアニオン体の時には示すが、プロトン体の時には示さないことを見いだした。今年度は、ポルフィリン・テルビウムダブルデッカー錯体の中性ラジカル体、カチオン体、アニオン体を作り分けることに成功し、プロトン体以外は全て単一分子磁石であることを明らかにした。また、これらのHOPG表面上での自己組織化構造をSTMで明らかにし、それぞれの化学種で結晶格子が異なることを見いだした。 2.逐次合成法によりポルフィリンアレイを収率良く合成する手法を開発し、これを用いて、中心金属が様々な順列で並ぶ一連のポルフィリントリマーを合成した。これらの分子のスペクトルを計測したところ、同じ組成のポルフィリントリマーでも、中心金属の並び方が異なると、スペクトルが異なることを見いだした。これは、構成要素の総体が示す物性が単純な構成要素の和とは異なる創発現象と言うことができる。 3.カーボンナノチューブ表面にポリオキソメタレートが吸着した分子系を電導性AFMを用いて電流ー電圧特性を計測すると、負の微分抵抗が見られる事を見いだしていた。これを、ネットワーク化したデバイスを作成し、電流ー電圧を測定したところ、一定以上の電圧では、周期的なスパイク電流が流れることが分かった。これは、負の微分抵抗ネットワークがニューロンの等価回路になっているためと解釈できる。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(38 results)