2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノインプリントによる機能性分子のナノ空間自己組織化制御
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
20111013
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松井 真二 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (00312306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 一浩 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (20201452)
春山 雄一 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 助教 (10316036)
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Keywords | ナノインプリント / 光反応性高分子液晶 / 配向性 / 偏光紫外光 |
Research Abstract |
光反応性高分子液晶は偏光紫外光(LPUV)の照射および熱処理によって配向制御可能な液晶である。また、ナノインプリント技術は微細構造を有する金型(モールド)を用いてレジストにパターン転写を行う技術であり、熱ナノインプリントやUVナノインプリントなどの方法がある。以前の実験で、光反応性高分子液晶であるP6CAMにラインアンドスペースパターン(L&S)を有するモールドで熱インプリントを行うと、ラインと平行にP6CAMが配向することを実証している。今年度はあらかじめLPUVによって配向制御したP6CAMに対して熱ナノインプリントを行うことにより、どのような配向を示すか調べた。モールドのパターンは2μmL&Sであり、高さは300nmである。P6CAMの配向方向として、配向制御していないランダム配向、モールド上のL&Sパターンに対して平行配向、モールド上のL&Sパターンに対して垂直配向の3種類を用いた。熱ナノインプリントは、モールドと基板を150℃まで昇温し、20MPaで1分間押し付け、パターン転写を行った。実験の結果、L&Sパターンに対して平行方向に配向させていた場合、ランダム配向に比べてわずかに配向度が増加した。一方で、L&Sパターンに対して垂直方向に配向させていた場合はほとんど配向性を示さなかった。もし熱ナノインプリントによってラインの方向にすべてのP6CAMが配向すれば配向性は失われないはずである。この事からLPUV由来の配向が熱ナノインプリント由来の配向によって相殺されたと考えられる。これらの結果から、熱ナノインプリント実施前にLPUVで配向制御を行う事はP6CAMの配向性に影響を与える事が実証された。
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