2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
20111015
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
石田 敬雄 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 研究グループ長 (40281646)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 分子エレクトロニクス / 超分子 / 導電性高分子 / 液晶 / 熱電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も、引き続き錯体分子膜の電子移動能とそれを利用した液晶駆動による機能創発について研究を行った。ITO基板上に形成したRu錯体分子膜の大きな電気化学電流を利用して、液晶を駆動する際にRu錯体分子を絶縁分子膜中に自己組織的にパターン化することでアバランシェ的なパターン形成に成功し、そのRu錯体分子と絶縁分子の比率の制御がパターンサイズ制御に有効であることを見出していた。本年度はこの原因を調べることを主に行った。この原因としてRu錯体分子の量が変わることで液晶セルに流れる電流量が変化して対流サイズの変化が起こっているところまで突き止めた。 このほか錯体分子膜の電子移動能測定に関連し、電極に用いていた導電性高分子PEDOT:PSS自体に微弱な熱での刺激応答、いわゆる熱電材料としての可能性があるため、新たにPEDOT:PSSの熱電特性と構造創発についても取り組んだ。PEDOT:PSSの導電性は薄膜の化学処理とアニールによって大きく向上した。通常キャストしただけの膜では1 S/cm程度の導電性であるが、キャスト前のPEDOT:PSSにエチレングリコールを混合させ、キャスト後、さらに150 ℃の温度でアニールすることで導電率が2~3桁向上し最大870 S/cmとなった。このような非常に高い導電性が得られたのは、X線回折から溶媒が蒸発する過程で溶媒に分散しているPEDOT:PSSのナノ結晶粒子が、非常に高い秩序をもって配列し分子超格子を形成するためだと考えられる。またこれまで導電性高分子のキャリア濃度、移動度の測定は困難であったが我々はイオン液体ゲートFETによって測定することを考案した。熱電特性は有機物として非常に高く、熱電性能指数ZT~0.27が得られた。現在これらの論文は執筆中である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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