2012 Fiscal Year Annual Research Report
トップダウン空間規制電極による自己組織的分子機能創発
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
20111016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 卓也 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50229556)
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Project Period (FY) |
2008-11-13 – 2013-03-31
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Keywords | ナノ電極 / 自己組織化 / 分子エレクトロニクス / バイオチップ / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究では、酸化還元可能な分子を用いた自己組織化分子ネットワークデバイスを形成し、低温において強い非線形性を有する特徴的な電流-電圧特性を示すことを明らかにしてきた。この非線形性は、個々の分子の酸化還元によるクーロンブロッケード現象として理解できる。実際、クーロンブロッケードのネットワークモデルで、電気特性、温度特性は良く記述できる。このような強い非線形性を用いれば、確率共鳴現象を観測できる。デバイスに外部からノイズを入力することにより、ノイズレベル以下の微弱な信号を再現性よく検出できることを示した。 前年までの確率共鳴現象の実験は、デバイス全体の非線形性を利用したものである。しかし、脳型の情報処理を行うには、ネットワーク外部から複数の信号を入力し、それらの信号が演算される過程において、確率共鳴現象が発現しなければならない。ネットワーク内部にある分子一つ一つが閾値素子である必要があり、この系がその条件を満たしているれば、それぞれの閾値素子に独立したノイズを注入すれば、著しい信号相関比や信号/ノイズ比の改善が見られるはずである。そこで、微弱信号を入力し、温度上昇による各分子に独立な熱ノイズを与える実験を行った。結果は、150Kあたりから急速なS/Nの立ち上がりが見られた。ネットワークの電気特性の解析から、ネットワーク内部の個々の電荷エネルギーはおよそ10meVであることがわかっているので、この結果は電荷エネルギーの見積もりと良く合っている。また、電流パスは独立したノイズを受けた多数の経路を通っているので、入出力の相関係数はノイズ強度(温度)に対してピークを持たず、単純な飽和型を示した。この結果は、すでに報告された理論の結果ともよく一致する。 以上のように、本研究では、分子ネットワークにおいて、多数の電流経路による確率共鳴現象を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] Stochastic Resonance in Cytochrome c Redox Circuit
Author(s)
Yoshiaki Hirano
Organizer
12th International Conference on Atomically Controlled Surfaces, Interfaces and Nanostructures(ACSIN-12) & 21st International Colloquium on Scanning Probe Microscopy (ICSPM21)
Place of Presentation
Tsukuba International Congress Center, (Tsukuba, Japan)
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