2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
20112003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 邦夫 Kobe University, 理学研究科, 准教授 (40252415)
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Keywords | 発現制御 / 発生・分化 / 生殖細胞 / mRNA |
Research Abstract |
本研究は、ゼブラフィッシュ始原生殖細胞形成を、RNAプログラムを主要な分子基盤とした「生殖質による生殖細胞の決定」と「生殖細胞決定プログラムの誤作動の防御とその解除による生殖細胞・体細胞の分化確立」と捉え、mRNA-蛋白質複合体(mRNP)の局在化による生殖質・生殖顆粒の形成機構、生殖顆粒を構成するmRNPの生理機能、生殖質mRNAの分解・翻訳抑制装置、および、その解除に働く生殖細胞特異的機構を解明することを目的とするものである。 本年度、生殖質に局在化するaskopos mRNAについて卵形成期におけるmRNA局在化経路を解析した結果、vasa,nanos1やdazlでの知見と異なり、ミトコンドリア凝集体や植物極への局在化は観察されず、このmRNAが動物極に局在化することが明らかとなった。また、askoposの3'UTRを連結したGFPレポーター遺伝子のトランスジェニック個体を作成して解析したところ、初期胚における生殖質へのmRNA局在化は再現されるが、卵母細胞における局在化は観察されなかった。これらのことから、複雑かつダイナミックなmRNP顆粒粒形成が生殖質形成に関与することが示唆された。一方、生殖質に局在化できなかったnanos1やtdrd7mRNAが体細胞に取り込まれるとmiR-430による抑制制御を受けるが、この抑制をRNA結合蛋白質であるDAZL蛋白質が解除する働きを持っていること、DAZL蛋白質がdazl mRNA自身の安定化を促進する働きを持つことなどを明らかにした。
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Research Products
(3 results)