2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
20112003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 邦夫 Kobe University, 理学研究科, 准教授 (40252415)
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Keywords | 発現制御 / 発生・分化 / 生殖細胞 / 生殖質 / miRNA / RNA結合蛋白質 |
Research Abstract |
本研究は、ゼブラフィッシュ始原生殖細胞形成を、RNAプログラムを主要な分子基盤とした「生殖質による生殖細胞の決定」と「生殖細胞決定プログラムの誤作動の防御とその解除による生殖細胞・体細胞の分化確立」と捉え、mRNA-蛋白質複合体(mRNP)の局在化による生殖質・生殖顆粒の形成機構、生殖顆粒を構成するmRNPの生理機能、生殖質mRNAの分解・翻訳抑制装置、および、その解除に働く生殖細胞特異的機構を解明することを目的とするものである。 生殖質に局在化できなかったtdrd7 mRNAは、体細胞に取り込まれるとmiR-430による抑制制御を受ける(Mishima et al, Curr.Biol.2006)。生殖細胞にもmiR-430は存在するが、RNA結合蛋白質であるDAZL蛋白質が結合し、ポリA鎖の伸長を促進することによってmiRNAによる抑制効果を解除し、tdrd7 mRNAの安定化や翻訳活性化を制御していることを明らかにした。また、このようなmiR-430とDAZL蛋白質による制御は、dazl mRNA自身においても行われていることを示した。 一方、メダカ胚においてmiR-430をコードする16個の遺伝子を同定し、これらの遺伝子が第4染色体にクラスター状に存在すること、その発現様式はゼブラフィッシュの場合と同様であることを示した。また、レポーターmRNAのインジェクション実験により、メダカ胚においてもmiR-430が生殖細胞・体細胞の分化確立に関与する可能性が高いことが示唆された。
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Research Products
(3 results)