2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
20112003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 邦夫 神戸大学, 理学研究科, 教授 (40252415)
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Keywords | 発現制御 / 発生・分化 / 生殖細胞 / 生殖顆粒 / miRNA / 翻訳制御 / TALEN法 |
Research Abstract |
本研究は、ゼブラフィッシュ始原生殖細胞形成を、RNAプログラムを主要な分子基盤とした「生殖質による生殖細胞の決定」と「生殖細胞決定プログラムの誤作動の防御とその解除による生殖細胞・体細胞の分化確立」と捉え、mRNA-蛋白質複合体(mRNP)の局在化による生殖質・生殖顆粒の形成機構、生殖顆粒を構成するmRNPの生理機能、生殖質mRNAの分解・翻訳抑制装置、および、その解除に働く生殖細胞特異的機構を解明することを目的とするものである。 これまでに、ゼブラフィッシュ初期胚において、tdrd7,nanos1などの生殖質局在mRNAが体細胞でmiRNA(miR-430)によるポリA短鎖化・翻訳抑制・mRNA分解促進制御を受けることを示しているが、miRNA機能の分子基盤には不明な点が多い。そこで、前年度に引き続いて、miRNAサイレンシング装置であるmiRISCのコア因子TNRC6について、レポーターmRNAへのtethering系やmiRNA機能を検出するレポーター遺伝子を発現するトランスジェニック系統などを用いた解析を行い、miRISCによるサイレンシング機構としてポリA鎖結合蛋白質PABPに依存しない翻訳抑制機構が存在することを明らかにした(Mishima et al,PNAS, 2012)。一方、生殖顆粒構成因子であるGra蛋白質が翻訳制御因子として働く可能性を見出している。 さらにこれらの解析を押し進めるために、TALEN法による変異体作成を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画のうち生殖細胞内でのDAZLタンパク質による標的mRNAのポリA鎖伸長化機構については解析が大きく進んでいないものの、全体としては、おおむね順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
TALEN法によって現在作成中、および今後作成に着手する各種のゼブラフィッシュ変異体系統を活用し、生殖細胞形成や体細胞との分化確立に働くRNA制御機構解明を進める。
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Research Products
(4 results)