2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の多様性の鍵となるスプライシング暗号解読
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
20112004
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒柳 秀人 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 准教授 (30323702)
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Keywords | mRNA / 選択的スプライシング / 次世代シーケンサー / 紫外線架橋 / FOX-1ファミリー / RNA結合タンパク質 / 細胞暗号 / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
本研究では、多細胞生物の個体においてタンパク質多様性の鍵となるスプライシング暗号の解読に貢献することを目的とし、次のアプローチで研究を進めた。 1.スプライシング制御因子の標的エクソンの網羅的探索 1(1)mRNA-seq法:野生型線虫およびスプライシング制御因子変異体の同調したL1幼虫から抽出したmRNAについて、次世代シーケンサーにより大規模シーケンスを行い、約600万から1,000万の配列タグを得た。これらのタグをゲノムおよびエクソン境界にマップし、エクソンの使用頻度やスプライシングパターンが野生型線虫とスプライシング制御因子変異体で差があると予測される遺伝子、エクソン、スプライシング事象の一覧表を作成した。 1(2)CLIP-seq法:線虫スプライシング制御因子ASD-2について、精製組換えタンパク質と放射性同位元素標識標的RNAを用いて紫外線架橋の予備検討を行ったところ、ASD-2とRNAは架橋しにくいことが判明し、CLIP法によるASD-2の標的RNAの探索は難しいと判断し、中断することとした。 2.標的候補遺伝子のスプライシングパターンの実験的検証:上記1(1)により制御因子変異体でスプライシングパターンの変化が予測された標的エクソン候補のうち約100個について、RT-PCRにより選択的スプライシングの有無や変異体における発現量の差異を検証し、Fox-1ファミリー制御因子ASD-1とFOX-1の二重変異体でスプライシングパターンが変化する38の事象を同定した。
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