2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
20112007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 睦人 Kyoto University, ウイルス研究所, 教授 (80201979)
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Keywords | RNA / 輸送 / 核 / 細胞質 / 識別 |
Research Abstract |
本研究は、主として以下の2つの点に焦点を絞り、RNA分配制御におけるRNAの識別機構を明らかにすることを目的とする。 1) 核外輸送において、mRNAがmRNAとして識別される特徴(mRNAのIDエレメント)を洗い出す。さらにその特徴を識別する因子群を生化学的に同定する。 2) イントロンを含むmRNA前駆体を成熟するまで核内に保持するシス配列やトランス因子群などを明らかにする。 平成21年度は以下のような成果を得た。 1) 「RNAの長さ」が長くなるのに応じて、「U snRNA型輸送複合体」の形成を不安定化し「mRNA型輸送複合体」の形成を安定化させる活性が再現できるような試験管内の系を構築し、その活性を一部精製した。また、「U snRNA型輸送複合体」の形成を安定化する活性の部分精製にも成功した。今後、この両方の活性の実体解明に質量分析を用いて本格的に着手する。。 (2) mRNA前駆体の核内保持に関与するRNA配列に関して、卵母細胞への微量注入系において、スプライシングの基本的な信号に変異を導入し、mRNA前駆体の核内保持に対する影響を見たところ、3'スプライス部位がmRNA前駆体の核内保持に最も重要であることを示す結果を得た。この結果は3'スプライス部位を認識する因子U2AFが関わっていることを強く示唆したので、今後はその証明を行う。ほ乳類培養細胞系では、FISHによってRNAの核内保持を検定するレポーター系をほぼ構築した。
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Research Products
(20 results)