2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内分解系ロジスティクスの疾患における役割と作動機構の解析
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
20113002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉森 保 Osaka University, 微生物病研究所, 教授 (60191649)
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Keywords | オートファジー / オートファゴソーム / 感染症 / がん / PI3キナーゼ / 小胞体 / 大理石病 / 低分子化合物スクリーニング |
Research Abstract |
細胞の消化器官であるリソソームへは細胞外からエンドサイトーシス経路、細胞質からオートファジー経路が物質を運び込み、それらの物流システムによって、何が・いつ・どれだけ分解されるか、が巧妙に調節されている。本研究は、感染症やがん等の疾患とオートファジーの関係を解析し、それらの病態理解を促進することを目的とする。またエンドサイトーシス経路については、大理石病の原因となるエンドソーム結合タンパク質の機能解析を中心に研究を進める。本年度は以下の成果を得た。 1. 感染症とオートファジーA群レンサ球菌を捕獲するオートファゴソームの形成に、通常のオートファゴソーム形成には関与しないロジスティクス制御因子Rab7が必須であることを報告した。 2. がんとオートファジー発がん抑制能を持つオートファジー関連タンパク質Beclin1に結合するAtg14Lの役割が、Beclin1を含むPI3キナーゼ複合体を小胞体膜に局在化させることであることを見出した。PI3キナーゼ複合体が小胞体の局所でPI3Pを産生すると、そこでオートファゴソームが形成されるものと思われる。長年の論争となっているオートファゴソーム膜の起源解明に向けた大きな一歩である。 3. 大理石病とオートファジー大理石病の原因遺伝子PLEKHM1を含む、新規rab7結合モチーフを共通に持つタンパク質ファミリーの存在を明らかにした。 4. 化合物スクリーニングサルモネラの細胞内増殖を指標にオートファジーを定量するハイスループットスクリーニングシステムを開発し、本領域計画班の清水らが持つ低分子化合物ライブラリーを用いオートファジーに影響を与える化合物の探索を行った。現在までにオートファジーを阻害する3つの化合物を同定している。また清水らと共同で化合物チップによるオートファジー関連タンパク質群に結合する化合物のスクリーニングを行い、3化合物を同定した。
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[Journal Article] Two Beclin-l binding proteins, Atgl4L and Rubicon, reciprocally regulate autophagy at different stages.2009
Author(s)
Matsunaga K, Saitoh T, Tabata K, Omori H, Satoh T, Kurotori N, Maejima I, Shirahama-Noda K, Ichimura I, Isobe T, Akira S, Noda T, Yoshimori T^*.
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Journal Title
Nature Cell Biol. 11
Pages: 385-396
Peer Reviewed
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[Journal Article] Atg9a controls dsDNA-driven dynamic translocation of STING and the innate immune response.2009
Author(s)
Saitoh T§, Fujita N§, Hayashi T, Takahara K, Satoh T, Lee H, Matsunaga K, Kageyama S, Omori H, Noda T, Yamamoto N, Kawai T, Ishii K, Takeuchi O, Yoshimori T, Akira S. (§These authors contributed equally to this work.)
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci USA. 106(49)
Pages: 20842-20846
Peer Reviewed
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