2010 Fiscal Year Annual Research Report
調節性分泌の分子機序と内分泌代謝性疾患の発症・病態への関与
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
20113005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
泉 哲郎 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00212952)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 生体分子 / 生理学 / 糖尿病 |
Research Abstract |
これまで我々は、低分子量GTPase Rab27aのエフェクターgranuphilinが、インスリン顆粒を細胞膜に定常的に接着(ドッキング)させ、次の膜融合過程と抑制していることを明らかにした。本過程に関与する分子として、granuphilinが親和性を示す、細胞膜に局在するリン脂質やsyntaxin-1a/Munc18-1複合体があげられる。我々は、これら分子との親和性を特異的に喪失させたgranuphilin変異体を見出し、これをgranuphilin欠損膵β細胞株に発現させた。その結果、細胞膜リン脂質との結合が、granuphilinの分泌顆粒ドッキング作用に必須であることがわかった。またgranuphilinは、syntaxin-1a以外の細胞膜局在syntaxinsとも相互作用することが判明し、これら複数のsyntaxinsとMunc18-1からなる複合体が開口放出を調節していることが示唆された。実際、syntaxin-1a欠損マウス由来の膵β細胞は、granuphilin欠損マウス膵β細胞とは異なる表現型を示した。すなわちsyntaxin-1a単独の欠損では、ドッキング障害が認められず、上記in vitroの結合実験で得られた知見を支持する結果が得られた。現在、上記変異型granuphilinの顆粒動態と開口放出に対する影響や、granuphilin/syntaxin-1aダブル欠損マウス膵β細胞の表現型を詳細に解析している。
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