2011 Fiscal Year Annual Research Report
調節性分泌の分子機序と内分泌代謝性疾患の発症・病態への関与
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
20113005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
泉 哲郎 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00212952)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 生体分子 / 生理学 / 糖尿病 |
Research Abstract |
低分子量GTPase Rab27aのエフェクターGranuphilinは、インスリン顆粒細胞膜ドッキングに必須の分子であるが、これまで本分子は、顆粒膜上のRab27aと細胞膜上のSyntaxin-1aを架橋することによって分泌顆粒を定常的に細胞膜にドッキングさせると考えられてきた。申請者らは、Syntaxin-1a欠損マウスを新たに解析し、その膵β細胞におけるドッキング顆粒は、Granuphilin欠損マウス膵β細胞のそれに比し、ごく軽度に減少しているにすぎず、Granuphilinは、細胞膜上の他のSyntaxin-2,3とも相互作用して顆粒のドッキングを仲介している可能性を示した(Wang et al.,J.Biol,Chem.2011)。また、X染色体上に局在するGranuphilin遺伝子の発現量が、視床下部など特定部位の脳において著明な性差があり、本遺伝子が性特異的な行動を制御していることを欠損マウスを用いて示した(Xu et al,Ce11 2011)。さらにRab27a欠損膵β細胞とGranuphilin欠損膵β細胞のインスリン分泌における表現型が異なることから、Rab27aの別のエフェクターの機能を探索した。その結果、Exophilin7が膵β細胞に特異的に高発現し、非ドッキング顆粒の開口放出に関与しているという知見を見出した(投稿準備中)。このように、インスリン顆粒の開口放出に関与すると考えられる分子の作用機序、機能的意義に関する新知見を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、計画した通り、分泌顆粒開口放出に関与すると考えられる分子の遺伝子改変マウス作製、解析が進んでいる。本年度に発表したSyntaxin-1a欠損マウスに加え、今年度はexophilin7欠損マウスの解析結果の発表ができると予想される。また他の遺伝子改変マウスの解析も進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記、遺伝子改変マウスのin vivo解析に加え、細胞レベルでのin vitroの解析を中心にした研究を推進させている。特にインスリン顆粒ドッキング後のプライミング過程、生成・成熟過程にそれぞれ関与すると考えられる2つの分子について研究を進めている。
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