2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | The physicochemical field for genetic activities |
Project/Area Number |
20114007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
末盛 博文 Kyoto University, 再生医科学研究所, 准教授 (90261198)
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Keywords | 細胞分化 / クロマチン / 遺伝子発現 / ヒストン修飾 / ES細胞 |
Research Abstract |
ゲノムのDNA塩基配列情報だけではなく、ヒストンのメチル化アセチル化などの修飾によるクロマチン構造やより広範な染色体領域の高次構造の変化による遺伝子発現の制御機構は細胞の分化過程で重要な役割を持つと考えられる。初期発生の過程での細胞分化におけるこれらゲノム高次構造の機能を明らかにするために、ES細胞を用いて、クロマチン高次構造とその機能の解析をすすめた。核内でのクロマチン高次構造をマクロレベルで可視化するために、クロマチン高次構造の構築に関連していると考えられる、ヒストンのメチル化、アセチル化ヒストンの核内分布をそれぞれの特異抗体を用いて解析し、細胞分化の過程でのヒストン修飾のパターンの変化を明らかにすることを試みた。まずこの解析のための顕微鏡撮影装置のセットアップを行い、当面の観察に必要となる性能を有することを確認した。解析に使用する修飾ヒストンに対する抗体は観察のみでなく修飾ヒストンのゲノム上での分布状態の解析のために行うChIP解析にも使用されるため非常に重要であるが、これらの抗体の性能評価をおこない使用に適していると考えられるものを選別した。またES細胞からの細胞分化に伴う遺伝子発現パターンの変化とクロマチン高次構造の変化との対応付けを行うために、遺伝子発現アレイを用い複数の分化パターンについて遺伝子発現の経時的変化をゲノムワイドに収集した。これらの解析結果に基づき特定のヒストン修飾を有する遺伝子領域について細胞分化における機能の解析を進める。
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