2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | The physicochemical field for genetic activities |
Project/Area Number |
20114007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
末盛 博文 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (90261198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 一夫 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授 (10361312)
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Keywords | 細胞分化 / クロマチン / 遺伝子発現 / ヒストン修飾 / ES細胞 |
Research Abstract |
遺伝子発現がゲノムのDNA塩基配列情報だけではなく、ヒストンのメチル化アセチル化などの修飾によるクロマチン構造、さらにはより広範な染色体領域の高次構造の変化、すなわち遺伝情報「場」によっても制御されていることが明らかにされている。これを踏まえて、本研究では初期発生の過程での細胞分化における遺伝情報「場」の機能を明らかにするために、ES細胞を用いて、細胞分化過程でのクロマチン高次構造の変化とその機能の解析を行う。 昨年度までに、核内構造の変化に関連すると考えられる遺伝子群について、siRNAを用いた阻害実験により、未分化細胞の維持および細胞分化に及ぼす影響を解析をおこなうとともに、クロマチン構造の生細胞での観察するためにヒストンバリアント-蛍光蛋白質を導入したES細胞作成している。この系を用いて、細胞分化過程での変化をより詳細にかいせきするためにすでに高効率での分化誘導に成功している、心筋分化系をモデルに解析を進めた。より精度良く心筋分化をモニタリングするため心筋分化初期より発現する心筋マーカー遺伝子に蛍光蛋白をノックインした細胞を用いることとした。KI細胞はこれまでに開発した分化誘導法により効率良く心筋に分化するとともにその動態を蛍光観察により追跡することが可能であった。このシステムを用いてクロマチンリモデリング因子についてsiRNAなどを用いた阻害や強制発現による機能解析を進めることができると考えられる。 本研究では、これらの解析を通じて、「遺伝子発現制御機構という枠組みを越えて、クロマチン高次構造それ自体が、情報の伝達や機能発現に関与する」という概念の創出をめざす。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の中核をなす、細胞分化誘導系について当初の計画以上に進展している。一方で核内高次構造の可視化については、高解像度での生細胞観察技術の進歩が遅く、解析が当初予定よりも遅れている。しかしながら計画全体としてはおおむね順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに研究開発を進めてきた細胞分化誘導系と、そのリアルタイムモニタリングシステムを最大限に活用し、このような未分化から特定の細胞が形成される過程での核内構造の解析を行う。
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[Journal Article] Tissue-specific demethylation in CpG-poor promoters during cellular differentiation2011
Author(s)
Nagae G, Isagawa T, Shiraki N, Fujita T, Yamamoto S, Tsutsumi S, Nonaka A, Yoshiba S, Matsusaka K, Midorikawa Y, Ishikawa S, Soejima H, Fukayama M, Suemori H, Nakatsuji N, Kume S, Aburatani H
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Journal Title
Hum Mol Genet
Volume: 20(14)
Pages: 2710-21
Peer Reviewed
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