2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
20115003
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石原 健 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10249948)
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Keywords | ライブイメージング / 線虫 / 情報処理 / FRET解析 |
Research Abstract |
動物は、外界からの様々な情報を中枢神経系で処理し、環境に適切に応答している。このような情報処理は、多数の神経細胞で構成された神経回路において行われている。神経回路における情報処理のメカニズムを明らかにするためには、実際にどのように協調して神経回路が働いているかを解析する必要がある。私達は、単純な神経回路を持つ線虫C.elegansをモデルとして用いて、イメージングや遺伝学の手法を用いて、情報処理のメカニズムを解析している。本年度は、線虫の中枢神経系全体の神経活動を測定するためのイメージングシステムの開発とそれを用いた解析を進めた。対物レンズを高速移動することによって、2台のEMCCDカメラで1秒間に約30フレームの画像を、画面全体に渡って0.5ピクセル以下のずれで取得し、3次元の立体像を再構築することに成功した。さらに、EMCCDカメラによる取得画像の高精度なノイズ除去法の開発、立体画像をFRET解析するためのソフトウエアの開発などを進めた。この結果、Ca^<2+>感受性FRETプローブを発現させた線虫を用いて、4DのFRET解析に成功した。このシステムを用いて、複数の神経細胞にFRETプローブを発現させた線虫を観察したところ、それぞれのニューロンが独立に活動する様子が観察することができた。これによって、動物の中枢神經系全体の神経活動の様子を可視化できたことになることから、今後の情報処理のメカニズムの解明につながると考えている。
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Research Products
(15 results)