2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
20115003
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石原 健 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10249948)
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Keywords | 線虫 / 情報処理 / ライブイメージング / 行動選択 |
Research Abstract |
動物は、外界からの様々な情報を中枢神経系で処理し、環境に適切に応答している。このような情報処理は、多数の神経細胞で構成された神経回路において行われている。神経回路における情報処理のメカニズムを明らかにするためには、実際にどのように協調して神経回路が働いているかを解析する必要がある。私達は、単純な神経回路を持つ線虫C.elegansをモデルとして用いて、イメージングや遺伝学の手法を用いて、情報処理のメカニズムを解析している。本年度は、情報統合の中心的役割を担う介在ニューロンの活動をイメージングにより解析し、感覚刺激が弱い時にだけ応答が観察されることを明らかにした。また、記憶の忘却に関して、忘却を促進しているニューロンを同定した。このニューロンについて、遺伝学的に、神経活動を抑制したり、分泌を活性化したりすることによって、ニューロンから忘却シグナルが放出されていることを明らかにした。さらに、感覚応答や忘却に異常を示す変異体をスクリーニングにより単離し、その原因遺伝子についてディープシークエンスによる全ゲノム解析による同定を進めた。さらに、これまでに開発した4Dイメージングシステムを用いて、複数のニューロンを同時に測定することによって、神経回路の活動の可視化を進め、特定のセットの介在ニューロンの活動と抑制が同時に起きていることを明らかにした。また、新しいCa^<2+>センサーGECOシリーズが、個体を用いた測定でも有効であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝学的解析により、忘却シグナルの存在を明らかにすることができているほか、イメージングシステムにより神経回路としての振る舞いが明らかになりつつある。これらのことにより、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
情報の統合の制御メカニズムについて、遺伝学的解析とともに、4Dイメージングによる可視化システムを用いて、神経回路の振る舞いとして明らかにしていく。 感覚情報処理のメカニズムを遺伝学的解析によって、分子レベル・神経回路レベルで明らかにしていく。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] An expanded palette of genetically encoded Ca^<2+> indicators2011
Author(s)
Zhao, Y., Araki, S., Wu, J., Teramoto, T., Chang,YF., Nakano, M., Abdelfattah AS., Fujiwara, M., Ishihara, T., Nagai, T. CampbellRE
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Journal Title
Science
Volume: 333(6051)
Pages: 1888-1891
DOI
Peer Reviewed
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