2012 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの記憶形成回路の構造および機能発現の分子基盤
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
20115005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多羽田 哲也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10183865)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ショウジョウバエ / 匂い記憶 / Caイメージング / 記憶痕跡 / CREB / 記憶の素過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ショウジョウバエの嗅覚系のMushroom body(MB)のKenyon細胞(KCs)は3次神経を構成する。KCs は約2000個あり、個別の匂いに応答する数十から100程度のKCsの組み合わせにより匂い情報をコードし、匂い記憶の同時検出器として働く。KCsにCaリポーターGCaMPを発現させたショウジョウバエを開頭して2光子顕微鏡下におき、匂い刺激および罰刺激を与えイメージングを行った。KCsの細胞体を4次元イメージングで観察すると、2000個の全てのKCsの応答を記録することができ、背側から観察することによってα/βおよび α’/β’に属するKCs(全KCsの3分の2)の軸索束の断面を観察する事ができる。 これらの各神経細胞のGCaMPシグナルの変化量を多変量解析法を用いて解析した。匂い学習記憶に頻用される2種の異なった匂い分子(OctとMCH)を交互に同じ個体に提示した時の応答を主成分分析すると2種の匂いに対する応答が容易に分離されていることがわかる。顕微鏡下で匂いと電気ショックの連合学習を行い同様の主成分分析を行うと学習前後で異なる応答パターン(記憶痕跡)を示すことを見いだした。 (2)CREBの結合配列を持つリポーター遺伝子の導入によりCRE細胞をラベルし、またその細胞で様々な遺伝子を発現することができるトランスジェニック系統を作成した。この系統を用いて、記憶の固定、想起の各素過程に機能するCRE応答細胞を同定した。 (3)KCsに発現する遺伝子の機能解析を行い、Caチャンネルの活性制御に関わる因子の記憶における役割を明らかにした。またこの因子と遺伝学的に相互作用する可能性があるcGMP経路に働く因子を同定した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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