2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
20115006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
齊藤 実 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (50261839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 知之 財団法人東京都医学研究機構, 研究員 (70270668)
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Keywords | 学習記憶 / イメージング / キノコ体 / ショウジョウバエ / インスリンシグナリング |
Research Abstract |
キノコ体(MB)は匂い中枢(Antennal lobe,AL)からの入力を受ける。我々は取り出した培養脳でMB応答のイメージング解析を行い、ALからの入力によるMBの応答が、痛み中枢(Ventral nerve cord)経由の入力と連合すると、長期にわたり増強されるLong-term facilitation(LTF)を起こすことを前回の見出した。今回はLTFの詳細な解析を進めた。LTFは2時間以上にわたり観察されるが、哺乳類でみられるLTPと異なり、MBでのLTFは入力刺激を繰り返すと減弱が起こり40分ほどで消失した。興味深いことに匂い条件付け記憶成立後に、条件刺激の匂いを嗅がせ続けると記憶の消失が観察された。 ショウジョウバエのインスリン受容体基質変異体chicoでは学習記憶障害が観察される。そこで学習記憶障害を起こすchico変異が、神経回路の可塑的変化にどのような影響を与えるか調べるため、MBにおけるLTFをchico変異体と野生型とで比較した。その結果、chico変異体も野生型同様LTFの誘導は起こるが、誘導されたLTFは速やかに消失することが分かった。chico変異体ではMB神経の細胞体の数が減少していた。以上のことから、chicoは学習記憶やMBの可塑性発現に関与するMB神経細胞の発生・発達に重要な役割を果たしていることが分かった。
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Research Products
(10 results)