2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
20115006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
齊藤 実 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 参事研究員 (50261839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 知之 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 主任研究員 (70270668)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 学習記憶 / イメージング / NMDA受容体 / ドーパミン受容体 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
単離培養脳での記憶痕跡の形成:薬理学的解析により、触角葉からの匂い情報はニコチン性アセチルコリン受容体を介してキノコ体に入力する一方、ショック情報は従来考えられていたドーパミンで無く、NMDA受容体を介して入力することが示唆された。また触角葉と、腹側神経節から脳への入力経路である上行神経路を同時刺激すると、触角葉とキノコ体間のシナプス伝達が2時間以上にわたり亢進すること、このシナプス伝達の長期亢進が匂い記憶と極めてよく似た生理学的特徴を持つことを明らかにした。 一方ドーパミン受容体はショック情報を伝達する役割でないことが示唆されたが、匂い記憶同様、長期亢進の成立に必要であり、ニコチン性アセチルコリン受容体、NMDA受容体、ドーパミン受容体の3つが、同期して活性化されることで、長期亢進が起こることが分った。こうした生理学、薬理学的相同性から、キノコ体における長期亢進は匂い記憶の細胞モデルとなることを提唱した。 NMDA受容体のMgブロックによる長期記憶制御:NMDA受容体を介したCa2+透過は、Mg2+ブロックがあるため、シナプス後細胞の脱分極と同期しない定常状態では抑制されている。しかしこうした整流機構の生理的意義は不明であった。そこでMg2+ブロックが欠失したNMDA受容体のトランスジェニックフライを作成し、電気生理学、行動学的解析を行った。その結果Mg2+ブロックは従来考えられていた連合学習のスイッチとして働くのでは無く、長期記憶形成のゲート機構として働くことが分った。さらにMg2+ブロックによる定常状態でのCa2+透過抑制は、定常状態における転写因子CREBの抑制型イソフォームの発現を抑制するために機能しており、この抑制が無くなると長期記憶学習で活性型CREBが機能できなくなることを明らかにした。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)