2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを用いた、脊椎動物脊髄運動系神経回路の動作原理の解明
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
20115007
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
東島 眞一 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 准教授 (80270479)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 運動 / 神経回路 / トランスジェニック / 脊髄 |
Research Abstract |
本研究では、透明なゼブラフィッシュ幼魚を用い、トランスジェニック技術により特定のクラスの神経細胞を生きたままラベルできる利点をフルに生かして、脊椎動物脊髄運動系神経回路の動作原理解明に向けて取り組んでいく。まず、BACトランスジェニック法を用いて、さまざまなクラスの神経細胞で蛍光タンパク質を発現するトランスジェニックフィッシュを作製した(gata3 : GFP, dbx1b : GFP, gsh1 : GFPなど10種類以上)。これらトランスジェニックフィッシュを用いて背髄神経回路網の解剖学的な記載を進めている。また、シナプス結合の様式を簡便に調べるため、ChR2を用いて光によりゼブラフィッシュ幼魚の神経細胞を発火させる系の開発に取り組んだ。まず、第一世代のChR2をトランジェント発現系でゼブラフィッシュ神経細胞に発現させ、光により発火が誘導できるかどうか調べたところ、可能ではあるが成功率が低い、という結果が得られた。理由として、(i)ChR2の発現量が低い、(ii)チャンネルのコンダクタンスが低い、という2つが考えられる。これらを改善するため、ヒト型にコドン置換し、コンダクタンスも2倍となった改良型ChR2を用いて再度実験を行った。その結果、非常に高い成功率で、光により神経細胞にスパイクを誘導させることができた。この予備実験の成功を受けて、さまざまなタイプの神経細胞で改良型ChR2を発現させるべく、トランスジェニックフィッシュの作製を進めている。
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