2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを用いた、脊椎動物脊髄運動系神経回路の動作原理の解明
Project Area | Systems molecular ethology to understand the operating principle of the nervous system |
Project/Area Number |
20115007
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
東島 眞一 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 准教授 (80270479)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 運動 / 神経回路 / トランスジェニック / 脊髄 |
Research Abstract |
本研究では、透明なゼブラフィッシュ幼魚を用い、トランスジェニック技術により特定のクラスの神経細胞を生きたままラベルできる利点をフルに活かして、脊椎動物脊髄運動系神経回路の動作原理解明を明らかにしていくことを目的としている。21年度は特に、脊髄に少数(各半体節あたり1つ)存在する、CoLoとよばれる特殊なクラスの交差型抑制性介在ニューロンの神経回路における役割を中心に解析した。 CoLoニューロンが特異的にGFPでラベルされたエンハンサートランプラインを用い、そのニューロンをまず電気生理学的に解析した。その結果、CoLoニューロンは、マウスナー細胞から電気的な入力を受けていることを明らかにした。マウスナー細胞は後脳に1対存在し、逃避行動で重要な役割を果たすことが知られている。そのため、CoLoニューロンは逃避行同時に何らかの役割を果たしているのではないかと推測された。CoLoニューロンをレーザー破壊して、それが幼魚の逃避行動にどのような影響を与えるかを詳細に解析した。その結果、CoLoニューロンは逃避行動の方向決定において重要な役割を果たしていることを明らかにした。これは、脊髄レベルでの情報処理が、行動の最終アウトプットに非常に大きな役割を果たしうることを示すものであり、中枢神経系の情報処理の機構に対して重要な視点を与えるものである。
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Research Products
(3 results)