2010 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ卵巣/精巣におけるGSC/ニッチ・システムの解明
Project Area | Regulatory Mechanism of Gamete Stem Cells |
Project/Area Number |
20116002
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
小林 悟 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90225508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅岡 美穂 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助教 (40370118)
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Keywords | 配偶子幹細胞 / ショウジョウバエ / 始原生殖細胞 / ニッチ / 生殖細胞 |
Research Abstract |
本研究は、GSC/ニッチ・システムを構成するGSC、ニッチ細胞、ニッチの場の形成機構の解明を目標とする。平成22年度は、1)細胞外マトリックスの主要な構成分子の一つであるヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)遺伝子であるdally、dally-likeががニッチにおいてニッチシグナル分子の分布を制御するかどうかを検証した。その結果、卵巣の生殖幹細胞ニッチにおいてdallyを異所的に発現した場合、ニッチシグナル分子であるDppの局在する領域が拡大することを明らかにした。このことは卵巣生殖幹細胞ニッチにおいてdallyがDppの局在を制御することによってニッチの場を規定することを示している。2)生殖巣におけるニッチ細胞の形成に関わるシグナル伝達経路のコンポーネントの発現およびそれらの機能を突然変異を用いて明らかにする研究を引き続き行ってきた。その結果、雄ではNotchとEgfrがニッチ形成制御に中心的な役割を果たすことが明らかとなった(投稿論文)。3)雌ではニッチシステムの完成時期まで始原生殖細胞を未分化状態に維持することが配偶子幹細胞の形成に必要であること、この未分化状態の維持はpatch pasteとgone earlyによって制御されていることを明らかにした。
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