2008 Fiscal Year Annual Research Report
サケ科魚類生殖腺GSC/ニッチ・システムを構成する細胞の同定と季節制御
Project Area | Regulatory Mechanism of Gamete Stem Cells |
Project/Area Number |
20116006
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
吉崎 悟朗 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 准教授 (70281003)
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Keywords | 配偶子幹細胞 / 精原幹細胞 / ニジマス |
Research Abstract |
研究代表者らによるA型精原細胞(A-SG)とB型精原細胞(B-SG)を個別に移植を行った実験から、A-SGの中には幹細胞能をもつ精原幹細胞が含まれており、分化した細胞はすでに幹細胞能を失っていることが明らかとなっている。さらにA-SGは分裂細胞と、非分裂細胞とが混在するヘテロな集団であり、このうち非分裂A-SGが宿主生殖腺内へ生着しやすいということが明らかとされている。これら一連の見解から、非分裂のA-SGこそが精原幹細胞ではないかと考えられる。そこで本研究では精原幹細胞とはどのような細胞なのか、つまりA-SGに含まれる非分裂細胞とはどのような細胞なのかを明らかにするため、これらの細胞の形態的指標を明らかにしその挙動を追跡することを目指した。 野生型ニジマスの2, 3, 4, 6, 9, 12ヵ月齢をサンプリングし、組織観察を行った。さらに分裂細胞を標識するPCNAの(proliferating cell nuclear antigen)抗体を用いた免疫染色を用い、非分裂細胞と分裂細胞の形態を解析した。 6ヵ月齢精巣のHematoxylin Eosin組織切片染色像より、A-SGを核小体やヘテロクロマチンの数を指標にして4タイプに細分化した。この形態的指標を用いて非分裂A-SGの形態を特定した結果、核小体が一つで核が大型のA-SGが高頻度に存在していることが明らかとなった。また、核小体が一つのA-SGは成熟段階により核直径が異なったため、核小体数が同様の細胞の中には異なる性質をもつ細胞が混在していることが示唆された。非分裂A-SGは精原幹細胞を高濃度で含むという知見と本研究の結果を併せて考察すると、精原幹細胞は核が大型で一つの核小体をもつA-SGであるものと予想された。
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Research Products
(3 results)