2012 Fiscal Year Annual Research Report
化学プローブを駆使した活性酸素シグナルの制御機構解明
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
20117006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有本 博一 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (60262789)
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Project Period (FY) |
2008-11-13 – 2013-03-31
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Keywords | オートファジー / 化学プローブ / ニトロcGMP / 活性酸素 |
Research Abstract |
本研究課題は、活性酸素シグナルのうち、特に一酸化窒素に起因する二次的なシグナル分子に注目して研究を進めて来た。8-ニトロcGMPは、領域代表の赤池教授を中心に見出された一酸化窒素の二次シグナル分子である。本研究課題においては、8-ニトロcGMPの代謝機構や、細胞内のグアニンニトロ化反応について明らかにしてきた。化学プローブの駆使が、アイデアの根幹であり、蛍光および同位体で標識された各種のプローブ分子を合成した。 本年度は、研究費繰り越しの原因となった8-ニトロ-cGMPがマクロファージ細胞における内因性のオートファジー誘導因子であることを明らかにして論文発表をおこなった。すなわち、炎症や細菌感染などで細胞内に一酸化窒素と活性酸素が同時に産生されると、グアニン塩基のニトロ化が進行し、細胞内に8-ニトロcGMPが生じる。この8-ニトロcGMPは、オートファジーを亢進させる作用があり、例えば、A群連鎖球菌のマクロファージ細胞への感染では細菌排除に重要な役割を果たしていた。内因性の8-ニトロcGMP生成を阻害すると細菌排除は遅延し、外部から8-ニトロcGMPを投与すると細菌排除、オートファゴソーム形成が促進された。オートファゴソームに補足された連鎖球菌の表面を免疫細胞化学染色して調べたところ、S-グアニル化修飾と同時に、Lys63型のポリユビキチン鎖が導入されていることがわかった。これらの知見から、8-ニトロcGMPが、ユビキチン化の促進を通じて、細胞内侵入細菌の選択的オートファジーによる排除に関与することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Endogenous Nitrated Nucleotide Is a Key Mediator of Autophagy and Innate Defense against Bacteria2013
Author(s)
Ito, C.; Saito, Y.; Nozawa, T.; Fujii, S.; Sawa, T.; Inoue, H.; Matsunaga, T.; Khan S.; Akashi, S.; Hashimoto, R.; Aikawa, C.; Takahashi, E.; Sagara, H.; Komatsu, M.; Tanaka, K.; Akaike, T.; Nakagawa, I.; Arimoto, H.
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Journal Title
Molecular Cell
Volume: 52
Pages: 794-804
DOI
Peer Reviewed
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