2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
20117008
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松本 明郎 Chiba University, 大学院・医学研究院, 准教授 (60437308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 健太郎 金沢大学, 医学部, 助教 (80507393)
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Keywords | 一酸化窒素 / ニトロシル化 / シグナル伝達 / 神経変性疾患 / オルガネラ |
Research Abstract |
本研究は、一酸化窒素(NO)が細胞膜を通過するメカニズムを明らかにし、細胞間情報伝達系がどのように制御されているのかを理解することを目的とする。さらにNOシグナルを人為的に制御するための方法論、病態におけるシグナル伝達系の破綻・病態特異的な伝達経路の解明を目指している。 本年度は、SNO化タンパク質の特異的微量測定技術が確立されたため,細胞内におけるニトロシル(SNO)化タンパク質の変動を詳細,かつ経時的に測定を行ない,細胞内におけるSNO化タンパク質の形成と分解機構の解明を主に進めた. A:隣接細胞由来のNOはSNO化物質を介して標的細胞へ作用する 本年度の解析により,NO分子そのままよりもSNO化物質を形成した方が細胞膜上のトランスポーターを利用して効率的に細胞内へ侵入することができることを明らかにし,細胞内においてNO転移反応を介して細胞内タンパク質にSNOシグナルを伝達していくことが明らかにされた.これらの成果は,これまでNOが拡散反応により隣接細胞へ伝搬していくとの定説に新たな機序を提供することとなる. B:細胞内におけるNO消去系の探索 前年度に見出したNADH依存性NO消去系の生化学的検討を行った.各種薬物に対する感受性試験・オルガネラ分布・酸素要求性について検討した結果,おもにミトコンドリアを中心としたスーパーオキサイド産生系に密接に関連した消去系であることが明らかとなった.細胞におけるNO産生量に相関した活性をもつことから,これらの消去活性は細胞内における過剰なNO産生に伴うストレス(RNSストレス)に対する防御系として存在しているものと考えられる.これらの酵素活性が細胞内のニトロシル化タンパク形成へ与える影響について,検討を継続している.
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Research Products
(19 results)