2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
20117010
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊東 健 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 教授 (10323289)
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Keywords | Nrf2 / 転写複合体 / 酸化ストレス / Z-DRA / マクロファージ |
Research Abstract |
1) 酸化シグナルの核内情報統合機構の解析 Nrf2の転写複合体を精製するために、FLAGタグを融合したNrf2をテトラサイクリン誘導的に発現する細胞を作製し、抗FLAG抗体による精製を行った。検出されたタンパク質をLC/MSにより決定した。現在再現性を検討中である。さらに、新規に同定したNrf2相互作用因子KAP1に関して機能解析を行なった。KAP1はNrf2の転写活性化能を増強しさらにKAP1をノックダウンした細胞では親電子性物質によるNrf2標的遺伝子の発現誘導が減弱していた。以上のことから、KAP1は新しいNrf2の共役因子であることが明らかになった。 2) 核内活性酸素の産生機構および機能解析 核で活性酸素を産生するヒストン脱メチル化酵素LSD1についでNrf2による遺伝子発現に対する効果を解析した。テトラサイクリン誘導性にNrf2を発現するヒト細胞株293細胞においてLSD1をノックダウンして解析したがNrf2の標的遺伝子であるHO-1の発現には有意な変化は観察されなかった。 3) Nrf2酸化シグナル応答系の疾患防御・発症における役割の解析 ApoE遺伝子とNrf2遺伝子の二重欠損マウス[ApoE(-/-) :: Krf2(-/-)マウス]を作成して、Nrf2の動脈硬化巣形成への影響を解析した。このマウスに高脂肪食を12週間投与し大動脈に形成された動脈硬化巣を解析するとApoE(-/-) :: Nrf2(-/-)マウスにおいてはApoE(-/-) :: Nrf2(+/+)マウスと比較して, 動脈硬化巣形成が約10%まで減少していた。さらにApoE(-/-) :: Nrf2(+/+)マウスにApoE(-/-) :: Mf2(-/-)マウスの骨髄を移植して同様に解析すると動脈硬化巣形成が著明に減少した。このことからNrf2の責任細胞はマクロファージであると考えられた。Nrf2のマクロファージにおける直接の標的遺伝子を網羅的に特定するため抗Nrf2抗体を用いてChIPシークエンス解析を行っている。
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Research Products
(13 results)