2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
20117010
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊東 健 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10323289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 拓己 岩手大学, 工学部, 准教授 (10300831)
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Keywords | Nrf2 / 酸化ストレス / 転写共役因子 / マクロファージ / 鉄トランスポーター / ferroportin1 / 動脈硬化症 / ApoEノックアウトマウス |
Research Abstract |
1)酸化シグナルの核内情報統合機構の解析 前年度までにNrf2と相互作用する因子として同定していたKAP1がNrf2の転写活性化に果たす役割を詳細に解析した。KAP1をノックダウンするとジエチルマレイン酸(DEM)によるNrf2の蓄積には影響しなかったが、Nrf2のDNA結合を抑制した。さらに、KAP1をノックダウンした細胞では種々の酸化ストレスに対する感受性が低下していることを明らかにした。また、dynein heavy chain(DHC)の酸化ストレス応答における役割をノックダウン法を用いて解析したが、特に変化は観察されなかった。 2)Nrf2酸化シグナル応答系の疾患防御・発症における役割の解析 Nrf2の動脈硬化症に果たす役割を昨年度に引き続き検討した。ApoEノックアウトマウスを高脂肪食で飼育したマウスの大動脈洞の組織切片を用いて解析すると、Nrf2は脂肪線条のステージ(高脂肪食投与から5週)においては活性化されておらず比較的病期のすすんだ段階(高脂肪食投与から12週)で活性化することがわかった。また、病巣をマイクロダイセクションにより解析すると、Nrf2ノックアウトマウスにおいては、12週のステージにおいてM1タイプのマクロファージの遺伝子発現が低下していることがわかった。 また、これまでマクロファージにおけるNrf2標的遺伝子として同定しているFpn1の炎症との関連を解析した。LPSはマクロファージにおいてFpn1の発現を抑制し、細胞内鉄濃度の上昇をおこすことが知られているが、Nrf2誘導剤であるジエチルマレイン酸はLPSによるFpn1発現抑制を阻害した。以上のことから、Nrf2は細胞内鉄濃度を低く保つことにより、抗炎症作用および鉄を介した酸化ストレスへの防御機構として貢献していることが推測された。
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[Journal Article] Suppression of SLC11A2 Expression Is Essential to Maintain Duodenal Integrity During Dietary Iron Overload2010
Author(s)
Shirase T, Mori K, Okazaki Y, Itoh K, Yamamoto M, Tabuchi M, Kishi F, Jiang L, Akatsuka S, Nakao K, Toyokuni S
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Journal Title
Am J Pathol
Volume: 177
Pages: 677-685
DOI
Peer Reviewed
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