2008 Fiscal Year Annual Research Report
孤発性神経変性疾患発症に関わるニトロソ化シグナルの分子作用メカニズム
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
20117011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上原 孝 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (00261321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西屋 禎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80399831)
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Keywords | 一酸化窒素 / S-ニトロシル化 / 酸化ストレス / スクリーニング / 酸化部位 / 細胞死 / アポトーシス / 神経細胞 |
Research Abstract |
本年度は特異的蛋白質S-ニトロソ (SNO) 化蛋白質同定法と抗体アレイ法をハイブリッドしたスクリーニング系を構築/使用し, 新規の酸化ストレスの標的となる蛋白質の同定とその影響について解析することを目的とした. まず, 脳細胞 (神経/グリア) をNOドナーあるいはグルタミン酸で処理することにより, SNO化反応を亢進させた. つぎに, ビオチンスイッチ法を駆使することによりSNO化蛋白質を特異的にビオチン化し, さらに蛍光物質を結合したストレプトアビジンで処理することにより特異的に標識した. それを抗体アレイ (接着分子/アポトーシス/細胞周期/ストレス応答系, シグナル伝達系, 転写因子系, リン酸化酵素系) に供してスキャンニングすることにより候補蛋白質の同定を試みた. 対象となる蛋白質 (抗体)は約600種であったが, その中にはこれまでに既に同定されてきたSNO蛋白質が含まれていた. 今回の実験においても有意にそれらの蛍光強度が高かったことから, 本実験系が正確に働いていることを確証した. 以上の結果から, 新たにNO結合性蛋白質のスクリーニング解析系を立ち上げることに成功したと判断した.さらに今回, 新たに20数種の新規SNO蛋白質の同定にも成功した.これらには,細胞死ばかりでなく,生理的役割に重要とされる分子が含まれており,詳細な解析を進めているところである.また現在, 新規NO標的蛋白質のプロファイリングを行なっており, どのような配列指向性があるのか否か, 一次配列を比較している. 今後, 候補蛋白質一つ一つについてNO結合部位を特定し, 酵素活性/蛋白質機能への影響を調べる予定である.
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Research Products
(8 results)