2008 Fiscal Year Annual Research Report
システイン修飾による活性酸素受容体機能制御機構の解明
Project Area | Signaling functions of reactive oxygen species |
Project/Area Number |
20117013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西田 基宏 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (90342641)
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Keywords | 活性酸素 / G蛋白質 / 一酸化窒素 / システイン / 転写因子 / 受容体 / ATP |
Research Abstract |
これまで、新生児心筋細胞の初代培養系を用いて、受容体と共役する三量体G_<12>ファミリー蛋白質(G_<12/13>)が低分子量G蛋白質RacおよびNADPH oxidaseの活性化を介して活性酸素(ROS)を生成すること、および活性酸素が下流のシグナル経路(JNKやP38MAPK)を活性化することで心肥大応答を引き起こす可能性を見出してきた。本年度は、マウス心臓におけるG_<12/13>蛋白質シグナリングの役割解析に着手した。その結果、圧負荷によって引き起こされる心臓の線維化にG_<12/13>シグナリングが関与していることを初めて明らかにした。一方、心臓リモデリングに関わるアンジオテンシン(AT1)受容体の発現調節機構に着目し、心線維芽細胞において、ATP受容体刺激がAT1受容体量を低下させることを見出した。このメカニズムには、ATPによるCa^<2+>流入依存的なiNOSの発現誘導および一酸化窒素(NO)の生成による転写因子NF-κBのp65サブユニットのS-ニトロシル化修飾が関与することを明らかにした。さらに圧負荷マウス心臓におけるiNosタンパクの発現誘導およびAT1受容体の発現低下が、P2受容体阻害剤により抑制されることを見出した。以上の結果から、心臓において、ATP-iNos-NF-κBのS-ニトロシル化-AT1発現低下というスキームが成り立つことを個体レベルで初めて明らかにした。
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