2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
20118005
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三本木 至宏 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (10222027)
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Keywords | ATP合成酵素 / 好熱菌 / 好冷菌 |
Research Abstract |
F 1-ATPaseのβおよびεサブユニットにヌクレオチドが結合すると,その構造は大きく変化する。したがって,ヌクレオチド結合に伴い自由エネルギーが変化し, 水和状態も変化することが予想される。本研究計画では, 当該サブユニットへのヌクレオチド結合に伴う水和状態を反映する熱力学量である熱容量を測定し, それらの立体構造を決定することを目的とする。得られる実験結果を, 統計熱力学・溶液化学の理論家と共有し, ATP駆動蛋白質とヌクレオチドの相互作用機構における水の役割を明らかにする。 本年度は, F1-ATPaseのβ, εサブユニットに対する熱容量測定, および構造決定のための準備期間である。本年度中の研究計画項目(1), (2)と実施した研究の成果は, 以下の通りである。 (1) 好熱菌Hydrogenobacter thermoluteolus由来のF1-ATPaseの調製 ・ 本菌体をジャー培養により, 湿菌体で80グラム得た ・ 菌体をフレンチプレスで破砕し, F1-ATPaseが局在する膜画分を得た ・ 得られた膜画分を界面活性剤で処理し, F1-ATPaseを可溶化した ・ 可溶化した画分を陰イオン交換カラムに供し, F1-ATPaseを部分精製した (2) 好冷菌S.violacea由来のF1-ATPaseの調製 ・ 本菌体をフラスコ培養により, 湿菌体で20グラム得た ・ 菌体をフレンチプレスで破砕し, F1-ATPaseが局在する膜画分を得た ・ 得られた膜画分を界面活性剤で処理し, F1-ATPaseを可溶化した ・ 可溶化した画分を用いてF1-ATPase活性を測定した
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