2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
20118005
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三本木 至宏 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (10222027)
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Keywords | ATP合成酵素 / 好熱菌 / 好冷菌 / 好塩 |
Research Abstract |
本年度は,F1-ArPaseのβ,εサブユニットに対する熱容量測定,および構造決定のための準備期間である。本年度中の研究計画項目(1),(2),(3)とそれらの成果は,以下の通りである。 (1) 好熱菌H.thermoluteolus由来のF1-ATPaseの調製 ・ 本菌体をジャー培養により,湿菌体で40グラム得た ・ 菌体をフレンチプレスで破砕し,F1-ATPaseが局在する膜画分を得た ・ 膜画分のATP分解活性を指標に,酵素の可溶化に成功した。可溶化のために用いた界面活性剤としては,C12E8が最適であることが明らかになった。また,活性の最適温度は,70℃近いことを明らかにした。 (2) 好冷菌S.violacea由来のF1-ATPaseの調製 ・ 本菌体をフラスコ培養により,湿菌体で20グラム得た ・ 菌体をフレンチプレスで破砕し,F1-ATPaseが局在する膜画分を得た ・ 膜画分のATP分解活性の最適化を図った。これまでに知られている膜のATP分解活性の最適pHは8付近であるのに対して,本菌由来の膜の最適pHは11を超えていることを明らかにした。 (3)好塩菌H.japonica由来のF1-ATPaseの調製 ・ 本菌体をフラスコ培養により,湿菌体で20グラム得た ・ 菌体をフレンチプレスで破砕し,F1-ATPaseが局在する膜画分を得た ・ 膜画分のATP分解活性の最適化を図った。その結果,酵素活性には,モル濃度オーダーの硫酸ナトリウム塩が必要であることがわかった。これらの成果により,イオンの物理化学的な特性との関連性を明らかにできた。また,城所俊一博士(長岡科学技術大学生物系)との共同により,本菌の膜を用いて,高塩濃度下でのATP分解に伴う熱測定に着手した。
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