2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
20118007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋山 良 Kyushu University, 理学研究院, 准教授 (60363347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉森 明 九州大学, 理学研究院, 准教授 (90260588)
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Keywords | 化学物理 / 生物物理 / 液体論 / 分子認識 / 熱力学 / ATP / 筋肉 / モータータンパク質 |
Research Abstract |
画像情報による巨大生体分子の観察と議論が盛んに行われている。通常それらの画像は水分子等の小分子に関する情報は露に現れていない。その為水分子の情報は軽視されてしまい易い。その一方で、タンパク質の折れ畳みや分子認識の研究で、水分子の並進運動の重要性が認識されつつある。このことは、観察結果の理解の為には、画像には現れないが膨大な自由度を持つ水分子の存在を踏まえる重要性がある事を意味する。そこで、ATP駆動タンパク質-ヌクレオチド間の分子認識、構造変化、及びATPエネルギー変換の機能発現を溶液内の分子の並進運動効果に着目しつつ、シンプルな描像で捉える事が本課題の目的である。積分方程式理論やシミュレーションを行いながらも、モデル計算と統計力学理論を重視し、他の領域内研究との有機的連携を図る。基本的な理論とプログラムは整いつつある。また、反応による部分モル体積変化と熱測定解釈上のオーダーの見積もり等は完了している。これまでの研究助成では、混み合い分子の効果、キセノンの蛋白質への吸着予測における溶媒分子の並進運動の重要性を示した。これを、ミオシン-ATP間特異的相互作用の研究などに結びつけたい。また、水中のモデル溶質分子が感じる静電ポテンシャルの揺らぎを計算した。溶質分子の荷電符号によって、劇的に水の状態がスイッチする事を示してきた。具体的な生体分子の場合について考える事で、エネルギー変換メカニズムの探索につなげたいと考えている。関連論文がJ. Phys. Soc. Jpn. の平成21年4月号に掲載される。 また巨大分子の拡散係数を溶質溶媒動径分布関数から求める吉森との共同研究を、3年目を待たずに開始し、結果を得つつある。
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Research Products
(27 results)