2010 Fiscal Year Annual Research Report
ATP加水分解およびATP駆動タンパク質のエネルギー・水和状態相関解析
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
20118008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 誠 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60282109)
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Keywords | ATPエネルギー / タンパク質の水和 / ATP加水分解反応 / ATP駆動タンパク質 / 水和エントロピー / 溶媒和 / 自由エネルギー / ハイパーモバイル水 |
Research Abstract |
目的1 ATPからADPとリン酸に分解する反応前後での自由エネルギー変化の中で、各熱力学量変化の物理的実体の一つ水和状態の変化の解明 成果:a)ATP,ADP,AMP,およびリシ酸の水和状態をマイクロ波誘電緩和分光により水和水の回転緩和特性と緩和強度等の各水和特性を明らかにした。 b)反応前後の物質が水と相互作用時のエンタルピーの測定、 ATPのp酸解離反応を尿素等(共溶媒)の存在下で滴定熱量測定を進めた。この途中で東日本大震災にあい、この測定の一部は23年に実施した。 c)木下の統計力学的手法により溶媒分子より大きな高荷電粒子の周りにはバルクの水より回転エントロピーの高い領域が形成されることを示した。ハイパーモバイル水の理論的根拠となる。/ 目的2 アクチンとミオシンの相互作用時、ATP加水分解時の水和状態変化の解明 成果:a)タンパク質PA cytochrome cのpH変化による大変形過程(native-unfolding)にともなう水和状態の変化を定量的測定法を開発した。 b)ミオシンのモータードメインS1におけるATP分解過程において、誘電緩和分光法によりタンパク質で影響を受けた水の領域の大きさの変化と水の回転運動性の変化を明らかにしつつある。 c)PFG-SEH-NMRおよび蛍光色素の回転運動性の測定からATP存在下のアクチン重合により水溶液中の水の拡散係数(並進運動性)がバルク水より顕著に高いことを示した。 d)アクトミオシン運動の駆動力として木下・岩城と共同で水のエントロピー力の重要性を示した。
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Research Products
(21 results)