2012 Fiscal Year Annual Research Report
F1-ATPaseモーターの機能における揺らぎと水和
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
20118010
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
宗行 英朗 中央大学, 理工学部, 教授 (80219865)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ATP / 水和 / 分子モーター / F1-ATPase / 非平衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
F1-ATPaseはATPを加水分解する時に放出される自由エネルギーを利用して,中心部を貫くγサブユニットを回転させる回転分子モーターである.この回転は,γサブユニットあるいは回転観察のための回転プローブが,何らかのポテンシャル勾配を感じ,そのポテンシャルが次々と切り替わることでおこっていると考えることが出来る.2012年度はF1-ATPaseの回転を駆動するポテンシャルをそのトラジェクトリから隠れマルコフモデルを用いて推定することに成功し,Recovery of state-specific potential of molecular motor from single-molecule trajectory EPL 97,2012, 40004 として出版することが出来た.この方法ではポテンシャルの形だけでなく,回転プローブがポテンシャルに対してどの位置に来た時にポテンシャルの切り替えが起こるかを明らかにすることが出来る.その結果,ポテンシャルの切り替えはATP結合位置のポテンシャルの底よりも少し加水分解方向に進んだ,次のポテンシャルとの交点で起こることが明らかになった.この結果から,以前の論文(Phys. Rev. Lett. 104, 2010, 198103)で示された,ATPの加水分解の自由エネルギーが,ほぼ100%回転自由度での “発熱”に使われるという事実をよく説明することが出来,あたかもナノサイズで動くMaxwellの悪魔(Nature Physics 6, 2010, 988-992)のように振る舞っているという描像が明らかになった.本年度は研究の最終年度でもあり,これらの結果をまとめて,第26回分子シミュレーション討論会での 招待講演 や第50回日本生物物理学会年会でのシンポジウムで発表を行った.
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)