2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
20119004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯高 哲也 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70324366)
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Keywords | 扁桃体 / ストレス / 紡錘状回 / 上側頭回 / 情動 / 人種差 / 遺伝子 / fMRI |
Research Abstract |
ストレス脆弱性と顔認知に関しては、fMRIを用いて健常被験者に顔と不快な音声による嫌悪条件付け実験を行った。相手の顔に対するネガティブな印象が形成され、その過程と扁桃体活動が相関した。印象形成には、内側前頭皮質の活動も関係していた(Iidaka, et al., Soc Cogn Affect Neurosci, in press)。社会的文脈において、顔認知と対人ストレスが扁桃体や前頭葉を介して関連していることが明らかになった。fMRI、ERP、NIRSなどを用いた顔認知研究では、顔の角度を変えた抽象図形との対連合学習課題とfMRI実験を行った。結果として、嗅周囲皮質の活動が正面顔で活動が亢進していた。見知った顔に良く似た顔を誤認する、いわゆる"他人の空似"に関する脳内機構をfMRIで検討した。扁桃体の活動が虚記憶と正しい記憶で有意に異なっており、情動に関連する扁桃体が顔を正確に記憶していることを示していた。相手の顔から受ける信頼度や危険度と、扁桃体の活動に関するfMRI実験を行った。 危険度が高いと評定された顔写真は、対照の顔と比べて扁桃体の活動に有意差はなかった。左扁桃体との機能的結合性についての解析で、紡錘状回やSTSの活動と顔を危険であると判定する程度に相関を認めた。顔認知の個人差および遺伝的多型との関係では、海外の相貌失認尺度の日本語版を作成し、日本人を対象として内的一貫性と再検査信頼性の検討を行った。600人以上を対象にした結果から、Cronbachのα係数でα=0.75という高い信頼性が得られた。日本における相貌失認スクリーニング法としての利用可能性が示された。
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Research Products
(6 results)